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2007年04月15日

イビチャ・オシム(4)

この4月、出逢いがあったに違いありません。
近い将来、あなたを支えてくれる有能な部下の出現ですね。

会社勤めをしていた当時、私にも出逢いはありました。期待できる者、何を考えているのか分からない者、そうそう、とんでもない男もいました。

「B4でコピーをとってくれないか」
「このビル、地下があるのですか」

マジですよ、マジ。この彼、いまは群馬で家業を継いでいるそうです。
では、今月もオシム監督の言葉から学んでいきましょう。

「日本の選手たちは、何をやるべきか周りに決められている。これではダメだ。自分自身で現状を打ち破り、前に進んでいかなくてはならない」

日本代表の選手に限らず、多くの日本人が周囲のアドバイスを待っています。能力があるにもかかわらずミスを恐れ、自分では動こうとしないタイプが多いようですね。突出する個性を否定し、平均化を美徳とすら考えた日本人ならではの姿勢です。しかし、ひとりで何もできないような社員がそろう組織が、より過酷になる競争社会を生き抜いていけるはずがありません。もちろん、上司として”羅針盤”を示してやることは必要でしょう。ただ、すべてをコントロールせず、部下が自発的に行動できる環境を整えることも、上に立つ者の任務ではないでしょうか。そして、ある程度の辛抱も必要です。あなたが新入社員だった当時は思い出してください。自発的に行動しましたか。上司は見守ってくれましたか。

「自分自身が信じられなくなったら、誰が信じてくれるというのだ」

些細なミスで落ち込み、すっかり自信をなくしたケースは誰にでもあるでしょう。
ただし、ミスをしない人間などいません。モハメド・アリもマイク・タイソンも、
ボストン・レッドソックスに移籍した松坂大輔も、屈辱的な敗北を経験しています。
それでも彼らは、自信だけは失わなかったようです。
プロのアスリート、しかも超一流と呼ばれる人たちは、
日本の社会では煙たがれる”自惚れや”といってもいいでしょう。
しかし、自らに絶対の自信を持っているからこそ、
幾多の修羅場を楽しみながら乗り越えられたに違いありません。
彼らが強靭なメンタリティーは、われわれ一般社会でも”マストアイテム”なのです。

「誰がどのように動くかミーティングで話しても、グラウンドでできなければ意味がない」

個人的には大好きな言葉です。全体会議の前に意見の統一を図ろうとしたかつての上司に、是非聞かせてやりたい!

“机上の空論”とはよくいったもので、頭の中で何を考えても実戦とは異なります。
膨大なデータを収集し、なおかつコンピュータで解析しても、
現場では何が起きるか分からない。これが社会の難しさであり、面白さです。
サッカー(スポーツ)だけではなく、ビジネスにおいても日本人はミーティングを重ね、
その結果に基づいたマニュアルどおりの行動をよしとする傾向があります。
しかし前述したように、現場は過去のデータを覆す驚きの連続であり、
機械(コンピュータ)よりも人間の知恵、発想が上回ることも多いようです。

マニュアルの重要性は否定しませんが、最後に勝利を収めるのは個人の情熱です。決して、ミーティングなどで養われるものではありません。

粕谷秀樹

粕谷秀樹

粕谷秀樹かすやひでき

ジャーナリスト

サッカー解説者人気ランキング2位!(エル・ゴラッソ紙より) 「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次…

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