例えば、親が「うちの子たちは兄弟の仲が悪い。仲よくさせなければ」と思ったと
します。こういうとき、ほとんどの場合は叱るところから始めてしまいます。
「あなたたちは、なぜそんなに仲が悪いの?もっと仲よくしなきゃダメでしょ」とか
「お兄ちゃんのくせに、なんで弟に意地悪するの?」というようにです。
みなさんは、こういう言い方に効き目があると思いますか?あるはずがないですよ
ね。これだと、子どもたちは「ぼくたちは仲の悪い兄弟なんだ」と思い込むようにな
り、お兄ちゃんは「どうせぼくは意地悪なお兄ちゃんだよ」と思い込むようになりま
す。そして、こういうイメージを持ってしまうと実際にそうなってしまう可能性が高
まります。
ですから、まずはこういう言い方をやめるべきです。そして、その反対に、ほめる
ところから始めるようにしてください。「よし、ほめることで兄弟の仲をよくしよ
う」と決意して、ほめられる場面を探しましょう。
そうしていると、2,3日後に、登校するときお兄ちゃんが弟に帽子をかぶらせて
くれるかも知れません。あるいは、弟がこぼしたお茶を拭いてくれるかもしれませ
ん。
そこを見逃さずに、「おにいちゃん、よく気がつくね。弟も幸せだ、こういうお兄
ちゃんがいると。仲のいい兄弟でうれしいわ」とほめます。
すると、先ほどとは逆に、兄弟仲についてよいイメージができます。それによっ
て、実際にそうなっていく可能性が高まります。
たいていの場合、親たちはこういったほめられる場面を見逃しています。「できて
当たり前」という意識があるからです。それで、結局いつも叱るところから始めるこ
とになるのです。
兄弟仲だけでなく、これは万事に言えることです。「しつけたいことはほめるとこ
ろから始める」と決意して、意識してほめられる場面を探すようにしてください。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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