講師として、ぜったいに仕事に穴を空けるわけにいかない。だから、結構いろんなことに気を使っている。うがい、手洗いは当たり前。時間よりも早めに行動する。エアコンは必ず切って寝る。それでも、いろんな事件や事故に巻き込まれてきた。
東日本大震災の時は、仙台にいたし、九州の大雪の時は長崎にいた。新幹線が人身事故で遅れたこともあれば、京浜急行が車両故障で止まったこともある。ただ、ありがたいことに、なんとか穴を空けずに、乗り越えてきた。
ところが、今回、まさかのまさかの被害に遭った。それが、ナンキン虫。日本で絶滅したはずのナンキン虫が、中国から観光客の荷物などに混じって日本に入ってきている。今年に入ってそんな噂を聞いていた。地方の旅館で被害に遭った宿泊客が旅館を訴えたという話も耳にした。ところが、自分自身が被害に遭うとは考えてもいなかった。
宿泊したホテルは、そんなに安いホテルではなかった。普通よりもちょっと上くらいのビジネスホテルで被害に遭った。ダニもノミも可愛い。ナンキン虫は痒いだけじゃない。この状態だと、しばらく半袖は着ることができない。治るのに一ヶ月くらいかかるらしい。めっちゃ泣きたくなった。そんな中、ふと思った。
「これが、もし、女優さんだったら、水着の仕事なんてぜったいにできない・・」
訴えた人の気持ちがわかった。
おかげで、新しいリスクマネジメントが必要になった。今は、殺虫剤と虫除けスプレーを持参している。今までは、キャンプに行く時くらいしか必要無かったものを普段から持ち歩くことにした。薬局に行ってびっくりした。数年前に比べると、10倍くらいの種類があった。
「虫にきびしく、人にやさしい」
そんなキャッチコピーの水溶性の殺虫剤もある。効果を調べると、しっかり、ナンキン虫も表示されている。ひょっとすると、被害者は、相当数に上るのかもしれない。そう思ってネットで調べてみると、すさまじい被害の数々。この時代、これからのリスクマネジメントに「虫」が入るなんて・・・。しかも、アメリカなどでも被害が出ているとの報告もあった。
ほんとにどこで何があるか分からない。日頃からの備えを万全にしたい。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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