2011年3月の東日本大地震、2016年4月に発生した熊本大地震。日本人誰しもが、震災への備えと意識を向けていたにも関わらず、自然災害という揺さぶりに、多数の方々が犠牲となってしまうという悲しい現実を突きつけられました。そのようなとき、地震や津波という被害に苦しめられてきた日本の現状を認識している世界中の国々から、膨大な緊急支援が届けられました。そして、世界各国から、世界規模で様々な自然現象に備えることができないか、という提案があがってきました。
世界では、日本と同様に地震大国と呼ばれる国がいくつも存在します。2008年5月には、中国の四川大地震、2004年12月には、インドネシアのスマトラ沖大地震大津波、2年後の2006年5月には、ジャワ島大地震が発生しました。また、ヨーロッパとアジアの接点であるトルコでも1999年7月にトルコ大地震が発生しています。その中でも、地震と津波の被害に苦しめられてきた島国国家であるインドネシアは、日本の震災状況と重なることが多く、日本以上ともいえる余震の多さに国民の防災危機管理意識が高まっています。
地震による被害には、建物の倒壊と津波によるものが見られますが、特に、沿岸部では、インドネシアでも東日本でも、壊滅的な被害が見られました。インドネシアでの地震では、津波発生後、緊急救援部隊が現場入りする際、被害地の沿岸部までたどり着く為の道が遮断されているという現実を突きつけられました。また、街全体の構造によって被害規模が異なるという現象が確認されました。特に家屋の材質や区画整理された道幅の大きさによって被害状況が変化していることが目立ちました。
地震が発生する地域は地震を引き起こす要因の一つである断層が重なりあっていることが検証確認されており、同じ地域で何度も大地震が繰り返されてきていることも記録されてきています。そうした地域で暮らす方々は、先人からの自然災害に備える生活慣習、意識を重ねてきていることが共通していました。災害予防や避難状況のなかで誤った判断や行動を起こさないように、被災データを備えることに注目が集まっています。震災のデータ、被災した状況での行動パターン、被災後の復興への手法など、国家という枠をこえて世界規模で情報共有することで甚大な被害を少しでも抑えることができると世界は気がついてきています。いまそこにある危機を回避する方法は存在する、そう信じてもいいのかもしれません。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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