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2009年12月15日

母親は結婚観を語ろう!

 私は以前、ゲスト講師として招かれた同志社大学で、女子学生からこんな質問を受けたことがある。

「マスメディアで働きたいのですが、結婚して子どももちゃんと育てたいのです。超多忙と言われる業界で、そんなこと可能ですか?」

 彼女はいわゆる頭のいい子だ。関西の雄と呼ばれる同志社で成績は上位、語学も英語のみならずドイツ語だって話せる。しかも見事、就活では、このご時世にもかかわらず、大手放送局と新聞社で内定を勝ち取った。しかし、私が、彼女に対して(本当に頭のいい子だな)と感じるのは、女性としての結婚観や人生観をきちんと持ち合わせているという部分なのだ。

 社会構造が変化し、時代の流れが加速する中、昔から日本人が抱いてきた様々な価値観まで多様化している。「結婚なんてしなくてもいい」「働くことが美徳ではない」「好きなことをやって生きたい」「日本なんて嫌い」…といった考え方の広がりである。

 それらを全て否定する気はないが、私は、まず、子どもの近くにいる母親が、きちんとした指針を示しておく必要があると思うのだ。

 今の親は、両親ともに、子どもに対し「ランクが高い学校に入り、豊かな人生を」と願っている方が多いであろう。もちろん私にもそういう思いがないではないが、それよりも大事なことがあると思うのだ。

 母親は結婚観を語ってみよう。そして、人を愛することの大切さを語ってみよう。さらには、母親自身や夫である父親を引き合いに働くことの大切さ、郷土の良さ、日本の素晴らしさを伝えよう。

 人を愛すること、郷土に誇りを持つ心が育てば、子どもは自分自身を大事にするようになる。考え方も軸がしっかりしてくること請け合いだ。(そういえば、うちの娘、○○君が好きだなんて言ってたな。う~ん、父親としては心配)

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

びわこ成蹊スポーツ大学特任教授

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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