このコラムも最終回です。お金についてのまとめです。
お金には色はついていないのですが、使い道などによって4つに色分けしてみましょう。お金をいつ使うかを考えます。1)生活費など「すぐに使うお金」、2)大型電化製品や車の買い替え、住宅のリフォーム、子供の結婚資金など「使う予定のあるお金」、3)当面は使う予定がないお金、4)老後の生活資金や遺すお金です。
1)は数年以内に確実に使うのでお金の持ち方としては安全性第一で普通預金や定期預金などでしょう。2)も使う時期がある程度はっきりしているので安全性と流動性を考えて、定期預金や国債、公社債で運用している投資信託にしておくとよいでしょう。3)は余裕資金と考えられるものでご自身の性格などを考慮しなくてはいけないのですが、収益性を中心に考えて運用しておいてもよいかもしれません。そして4)は老後の生活資金も含まれるので安全性と収益性を同時に考えなくてはいけない分野のお金です。
「1)のすぐに使うお金」と「2)の使う予定のあるお金」は、預金や国債、公社債で運用している投信などですぐに対応できますが、収益性を伴う3)と4)が難しいものです。
人それぞれ性格や体格が違うように収益性を目指す投資に対するスタイルも異なります。まず、投資に向かない人がいます。例えば株式投資をすると毎日の株価の動きが気になって眠れないというような方です。
また、投資に費やす時間によっても投資スタイルは異なります。時間的に余裕のある方は、いつでも売買注文が出せるなら短期の収益を目指すことができます。中・長期型の投資スタイルは、時間をかけてじっくりと付き合う場合で、企業の持つ堅実性や成長性を見込み、ある程度の株価の上げ下げを受け入れながら、予想以上に安価となった時に株を入手し、収益を2、3年で回収したいなら中期的なスタイルになるし、5年、10年と持ち続けるなら長期的なスタイルとなります。
自分にあった無理のない投資スタイルを身に付けるまでは、理解できないことには手を出さないことが、投資にあたっての前提となる原則です。
井戸美枝いどみえ
井戸美枝事務所代表
神戸生まれ。関西大学社会学部卒業。 ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・キャリアカウンセラーとして、相談、講演、執筆活動を行う。複雑なお金にかかわる動きを、かんたんに読み解く経済エッセイストと…
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