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2010年05月20日

「若葉の頃」~夢を育む時~

 新緑の生命の息吹が心地よい季節になりました。
燃え盛るような新緑の美しさ、そしてそよ風によって運ばれる木々の囁きと
清々しい香り。
まさに、そこここに新しい生命のエネルギーが感じられ、自然の恵みが私たち人間に〝頑張れよ!〟とその姿をもって肩をたたいてくれているような気がします。

 先日、大きな集会場である光景から考えさせられたことがありました。
その集会場は、天井がとても高く上から三段の窓があり、それぞれの窓から光がそそがれるようになっていました。
ふと目をとめると一羽のすずめが、どこから入ったのか部屋の中に入り外に出ようともがいていました。
三段になっている窓の一番上の窓から抜け出そうとしていたのですが、一番上の窓は閉まっており、その下の二段目の窓が開いていました。しかし、すずめは、高く飛ぶことばかりを考えているようで、窓の開いていない一番上の窓から抜け出そうとして何度も何度も窓にその体をぶつけていました。
「そこは開いていないよ。今よりもう少しだけ頭を下げてごらん。そしたら二段目の窓が開いているから。」私は思わず、すずめに向かって呟いていました。
上ばかりを見つめそれ以外のことを考えることなく、自由に今よりも高く飛びたいという気持ちは、このすずめだけでなく私たち人間も反省しなければならないことのように思います。
 少し余裕を持って全体を見渡せば、直に抜け出せることができるのに、すずめのように上からしか抜け出せないという思いや偏見、凝り固まった考えによって結局は時間と労力を使うことになっています。

 上へ上へは大切なことかもしれませんが、時には少しだけ頭を下げると違った窓があることを知り、今よりも一瞬だけ体を下げることになりますが、一瞬下げたことにより、開いている窓から抜け出し、さらに今以上に高く、そして自由に大空に向かって羽ばたくことができるのです。
頭を下げることや、一瞬だけでも今の場所から下がることは、とても不安になるかもしれませんが、「こうあらねばならない」といった概念を捨てて、この五月の新緑の風景のように、老若男女それぞれが、若い芽をつけ、もっと伸び伸びと謳歌していけたなら、世の中はもっと清々しくなるように思います。

 大人たちが、どんな時もそれぞれの人生に夢を持ち、伸び伸びとそして力強く歩みを進めていたならば、傍でその姿を見つめている子どもたちは、その姿に追いつこうと、子どもは子どもなりの力で成長していきます。

若葉の頃、この季節は夢を育む時。全ての人々の心に、新緑の美しい活力がそそぎ込まれますように!

春日美奈子

春日美奈子

春日美奈子かすがみなこ

フリージャーナリスト

國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。

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