いつも、子どもを伸ばすためにパパの力がいかに大切かを話しているので、今度はママ力について述べてみよう。
子どもを素直な子にするには、ママの日頃の言葉がけがとても大切になる。何気なく発した言葉が、子どもの心を躍動させることもあれば、傷つけてしまうこともあるからだ。
私はこれまで、ラジオの仕事を通じて、あるいは、受験事情を取材する中で、多くの小学校を訪問してきたが、子どもたちに「ママから言われて嬉しかった言葉」を挙げてもらったところ、「ありがとう」「いい子だね」「うまくなったね」「えらいね」、そして「面白いね」といった言葉が並んだ。
見てお分かりのとおり、いずれも「ア行」で始まる言葉だ。これらの言葉は、子どもにとって、(僕は認められている)(私は受け容れられている)と感じる言葉で、心の中に大きな○(=自信)がつく言葉なのだ。
ママがこれらの言葉をたくさん使えば、子どもの情緒は安定し、自己肯定感へとつなげることができる。一般的に、「ママ=優しい、パパ=厳しい」というイメージがあるが、子どもの側からすれば、いつも小言を言うママは厳しく、パパは優しいというのが実態に近い。それだけに、いつも身近にいるママが、「ア」行で始まる言葉がけをすると、子どもは嬉しく感じ、ママに評価された自分自身のことを好きになる。そして、自分を大切に思ってくれているママのことも、より深く愛するようになる。このことが、子どもを素直な子へと導くのである。
子どもを伸ばす基本は、素直な子に育てることだ。素直でないと周囲のアドバイスを受け容れないので、伸びるはずの芽を摘んでしまうことになりかねない。是非、ママの習慣として「ア行」の言葉がけを励行し、子どもを素直な性格に育てたいものだ。
清水克彦しみずかつひこ
びわこ成蹊スポーツ大学特任教授
文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…
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