バブル景気が崩壊し、もうそろそろ回復するだろうと淡い期待を持ち続けては裏切られ、今日まで20年も経過してしまいました。
世界経済も日本経済もその間、表向きの景気は一進一退ですが、感覚的には低迷を続けています。その上、予期せぬこと、想定外の出来事が次々と起き、経営者は心も体も疲れはて、もはや実に多くの店や会社の経営体力が限界に達しているのが現状です。聞けば、全法人の70%を超える会社が赤字経営だそうです。
全国各地の社長から「大変だ、大変だ」の悲痛な声を聞く度に、「そんなに大変だったら、誰かに任せ、引退するか、会社を売ったらどうですか」と言うと、「そんなことはできません」と返ってくるのです。
過去には社長業を楽しみ、友人も増え、趣味も増え、多少頑張った結果、経営もそれなりに上手く行っていた。そんな状況からすると、今の状況が一番大変だということになるのでしょう。一念発起して始めた会社経営なのですから、経営を続けたい、社長は自分しかいないというならば、忘れかけていた創業当時の情熱、やる気、家族をはじめ、周囲の人たちを幸せにしたいとの強い思いを思い起こしてください。不眠不休をいとわず、寝食を忘れ、一途に仕事にのめり込んでいた”あの頃の気持ち”初心”に戻る以外に窮地から脱出することはできないと思うべきです。
確かに今ほど厳しい時は無いのかもしれませんが、明日からも経営を続けたいのなら、今後は今ほど楽な日は来ない、経営環境は明日からはもっともっと大変になるとの前提に立ち、自身の血液を入れ替える程の覚悟で、創業の頃のように、率先垂範、現場主義、お客様第一主義を蘇らせてください。自社の業績は世の中の景気次第ではありません。どこまでいっても社長の頑張り次第です。業績が悪いからといって、他のせいにはできません。すべて社長の自己責任です。
今、急場しのぎで即効性の有ることを考えるより、(もっともそんな方法は有りません)経営はその姿勢が一番大切です。但し、経営の姿勢を変えたからといって、すぐに効果がでるわけではなく、その効果が出るまでには期間が要ります。
ライバル経営者が見ても、誰の目から見ても、社長の変身振りが明らかにわかる方法として私がお薦めしたいのが早起きです。それも超早起き(会社の始業時間の4時間以上前に起きる)です。社員、役員の誰よりも早く、出社してみてください。始めはいぶかる社員も、やがて20%の社員が本気になってくれます。辛くても続けることです。やがては良い現象が次々と現れます。経営姿勢が良くなり、徐々に信頼信用が得られます。
今のままでは、明日からはもっと大変になると自覚し、行動を変えるのです。繰り返しになりますが、経営の良し悪しは経営者の姿勢で決まるからです。そこから生まれる信頼が重要なのです。それが確立できたならば、景気に左右されない経営ができると断言いたします。
宗次徳二むねつぐとくじ
カレーハウス CoCo壱番屋 創業者
生後まもなく孤児院に預けられ、3歳で「宗次」姓の養父母に引き取られる。養父のギャンブル狂によって各地を転々とし、養父母の離婚の後は養父と2人、生活保護を受ける極貧の少年時代を過ごす。 自ら学費を稼ぎ…
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