ご相談

講演依頼.com 新聞

コラム ビジネス

2010年08月10日

言葉は、時として、”危険な道具”である

先日、経営顧問をしているある会社から、木箱で、美味しい赤ワインが届きました。ワインが届いた後、お礼を述べたところ、その会社の経営者から、「常日頃からお世話になっておりますので、”感謝の印”としてお贈りしました」という言葉をいただき、私自身、大変嬉しい思いをしました。

このように、私に限らず、人間というものは、他人から”心温まる感謝の言葉”を耳にすると、心から嬉しい気持ちになるものです。まさに、言葉は、「人間を喜ばせる”ポジティブな効果”」を持っているわけです。

しかし一方、言葉は、「人間を悲しませる”ネガティブな効果”」を持つ代物でもあります。時として、言葉は、その使い方を間違えると、とんでもない「負の方向」に進んでいってしまい、他人の気持ちを害したり、あるいは、不必要に他人の心を傷つけてしまうこともあります。

人と人のコミュニケーションを考えるとき、言葉は、しばしば、「危険な道具」と化することがあります。言葉は「危険な道具」だからこそ、私たちは、日々、人とコミュニケーションを図るとき、十分に注意を払い、”心を込めて丁寧に”一語一語を発する必要性がそこに存在するわけです。

言うまでもなく、お互いの顔を見ながらのコミュニケーション、即ち、”face-to-face communication”において自分自身が発する言葉に細心の注意を払うことは必要不可欠ですが、私たちは、電子メール、あるいは、手書きの文章における記述においても、常に、できる限りの注意を払う必要があります。

例えば、日本でも海外でも「メールは、”便利で簡単”」という考え方が一般的ですが、私たちは、このような「メールに対する”勝手な思い込み・捉え方”」から、日々のビジネスにおける様々なメールのやり取りにおいて、知らず知らずのうちに、”大きな過ち”を犯すことがあります。

私たちのビジネスライフにおいて、「こちらとしては、べつに悪気があって書いたものではなかったが、それを読んだ相手は、かなり気を悪くした」ということは、実際、日常茶飯事として起きていることだと想像します。メールという代物は、どのように注意して書いても、それを読む相手がどのように感じ、どのように捉えるかは、まさに、「個人の価値観」によって違うものです。

以上のことを踏まえると、ビジネスパーソンが、より優れたビジネスコミュニケーション能力を養う上での最も大切なことの一つは、「日本語における”言葉の使い方”」を再度見直し、常に、状況に応じて「正しい使い方」「妥当な使い方」ができるよう、自身の”日本語表現力”を磨いていくことなのだと考えます。

企業では、社員教育の一環として、1)「日本語表現力」、2)「日本語コミュニケーション力」の改善を見据えた研修をしていくことが必要となります。また、英語を使って外国企業と取引している企業においては、1)「英語表現力」、2)「英語コミュニケーション力」の改善を試みることが大切となります。

今回は、「言葉は、時として、”危険な道具”である」がコラムのタイトルです。しかし、この捉え方を、是非、「言葉は、常に、”人を幸福にする素晴らしい道具”である」というポジティブな捉え方と変えるべく、「言葉が備える”偉大なパワー”」について、読者の皆さんの会社において”組織全体の問題”として再考されることをご提案します。

「言葉は、”会社の鏡”」、……「言葉」を大切にすれば、必ず、会社が取り組むビジネスの「質」の向上を実現することができます。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。