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2010年10月25日

ハードワークは社長の特権

 不安要素がますます多くなってきた経営環境の中、社長が社業の多くを役員や社員に任せたままというのは、いかがなものだろう。メリットや効能があるのか無いのか、ハッキリ分らないような社外とのお付き合いや、自らの欲求を満たすための時間をこれまで通り使い続けるならば、事業や社業の右肩上がり成長は望めないだろう。そのような、ややもすると浪費ともいえる時間を大幅にカットした上で、さらに早起きによって時間を作り出し、強力なリーダーシップのもと、自らが経営実務をすべきなのだ。例えば、ゴルフや夜の付き合い等による消費時間のカットや、睡眠時間のカットによって作り出した時間のほぼ全てを経営実務に当てるのだ。仕事は時間でなく内容だとも言うが、決してそうではないと断言できる。長時間のハードワークの中からこそ、打つ手が湧き出てくるのだ。命がけで始めた経営がやがて軌道に乗ったとき、その時が本来、真のスタートなのだ。確たる目標を追い、事業に我が身を捧げるほど経営に打ち込まなければ、上手く行くはずが無いのである。

 昭和の時代であれば、社長は社業を部下任せにし、よそ見しながらの社長業でも良かったかもしれない。言い方を変えれば、社長は誰がやっても右肩上がり経営が出来た時代だったのだが、今は様変わりしているのだ。しかも、明日からはもっと大変な経営環境になっていくだろう。もう、社長が社の誰よりもハードワーカーとなり、自らが一心不乱、全身全霊を傾けた現場主義の中からしか、社員のやる気を喚起できないばかりか、業績の維持すら困難なのだ。

 いつの間にか増えた人脈、趣味。「楽を楽しむ」ことをリストラすることが、時間・体力・お金を結果的にリストラすることになる。経営におけるコストカット、コストコントロール、人員削減、節約等々。あらゆるリストラをやりつくし、いよいよ残されたリストラとは、社長に関わることばかりなのだ。今が最後のチャンスだと思い、辛くて大変であっても創業の時に戻るべきだ。不眠不休もいとわず、寝食を忘れ情熱とパワーで頑張ったあの創業精神でやりぬくことだ。社長はハードワークでも平気なハズなのだ。他人から押し付けられて社長になったわけでなく、自らの意志で借金をし、社員を雇い事業を広げたのだ。経営者は元来、趣味が仕事のハズだ。社長にとって、経営が上手く行くことほど、幸せなことは他に無いだろう。たとえ社長業一筋であっても、決して後悔はしない。

 ハードワークといっても、捉え方は人それぞれだと思う。私の基準は1日12時間を365日。年間4380時間。1日12時間なら無休。これは社長なら出来る。何かと私的な用事や、時には休みたいなら、1日10分余分に仕事をすればよい。その場合、年間5日休むことが出来る。1日60分余分に仕事をしたら年間30日も休めるのだ。右肩上がり経営を続けるには、多すぎる休日数かもしれない。

 ちなみに私は平成8年に年間5637時間勤務した。勿論無休だ。唯一、経営者人生においての失敗は、ゴルフを少ししたこと位だ。プライベートタイムはこの中に含まれていない。(まあ、ここまでくると正に変人か!?)そして、何より経営者が、倒れる寸前まで働いても、労働基準監督署からただの一度も指導を受けたことがない。これを経営者に与えられた特権といわずして何と言うべきか。さあ、皆さんも明日から社長特権のハードワークで、事業のますますの発展に向け、スタートして欲しい。出来れば、超ハードワークをおすすめしたい。経営は今以上に必ず良くなるだろう。

宗次徳二

宗次徳二

宗次徳二むねつぐとくじ

カレーハウス CoCo壱番屋 創業者

生後まもなく孤児院に預けられ、3歳で「宗次」姓の養父母に引き取られる。養父のギャンブル狂によって各地を転々とし、養父母の離婚の後は養父と2人、生活保護を受ける極貧の少年時代を過ごす。 自ら学費を稼ぎ…

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