なかなか先のことは見えませんが、大きな夢に加え、「ビジョン」を持つことも大事です。
3年ごとの3YearsVision(スリーイヤーズビジョン)と、
10年ごとの10YearsVision(テンイヤーズビジョン)を持つ。
ぼんやりとでもいいからビジョンを持ち、仮説を立てることです。
何をしたいかわからない上司や会社には人はついていきません。
リーダーは、ビジョンを立てて、その仕事に向かっていくことが大切です。
ビジョンを立てておくと、みんなが、
その達成をするためのやり方を知っているという状態になります。
すると、仕事は速く進みます。
「未来のことはわからない」と言っているだけでは、前へ進めなくなってしまいます。
今、目の前にある社会の仕組みを前提に、ビジョンを立てることです。
社会の根底の仕組みが変わったら、その時代に合わせてビジョンも変えればいいのです。
ビジョンを持つために、リーダーは、時代を読む必要があります。
先ほどもお伝えしたように、未来は何が起こるかわかりません。
ですが、リーダーは部下たちの旗ふり役ですから、
今の時代を読み、未来を予測して、どちらの方向に進むか、決めなければなりません。
今の時代を読むために、ひとつには、
「今Twitterで、どの言葉がいちばんつぶやかれているか」など、
SNS等の情報を調べる方法があります。
ただし、注意すべきは、
基本的にはSNSで流れている情報は流行りものであり、流行りものは廃りものだ、
と覚えておくことです。
目先の流行りに飛びついた途端、時代が次の流行に移ってしまうこともある。
今飛びついても時代遅れにならないかどうか、
判断が難しいため、判断できる感性を培っておく必要があります。
そのためには、普段から、「捨て目・捨て耳」で、
なんでもないことに目をとどめておくようにしましょう。
いちばんいいのは外、つまり現場に行くことです。
アイスクリームの業界なら、売り場を見ることです。
コンビニやスーパーに行って、どんなものが置かれているのか、
あるいは置かれなくなったのかを見る。
行くことで、目だけじゃなく、肌で感じることができます。
感覚器官には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、それから触覚があります。
触覚は皮膚(=肌)で感じます。人間の感覚器官の中でいちばん大きいのは肌。
つまり、多くの情報を感覚的に集めることができます。だから、肌感覚は非常に大切です。
また、ドイツの人智学者ルドルフ・シュタイナーは、
人間には5つの感覚に加えて、もう7つの感覚があると言っています。
生命感覚、運動感覚、平衡感覚、熱感覚、言語感覚、思考感覚、自我感覚です。
全部で12あることから「12感覚」と名付けています。
ここではそれぞれについて、詳しく説明はしませんが、
興味のある人はシュタイナーの本を一読してみるといいでしょう。
リーダーはこうした感覚があることを知り、あらゆる感覚(=感性)を磨く必要があります。
感覚の感度が高いほど、時代を読むことができるからです。
人間そのものにしか感じられないところを大切にして、
時代を読む感性を育てて、ビジョンを立ててほしいと思います。
鈴木政次すずきまさつぐ
“ガリガリ君”の開発者そして育ての親
1946年 茨城県出身。1970年 東京農業大学農学部農芸化学科 卒業後、赤城乳業株式会社に入社。1年目から商品開発部に配属される。愛すべき失敗作を生み出しながらも、「ガリガリ君」、「ガツンとみかん」…
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