「今日、部長に怒鳴られちゃってさ」
「営業に行ったら、門前払い。まいったよ」
帰宅途中に、赤ちょうちんで仕事の愚痴をこぼしているビジネスパーソンに対して、
どんな思いを持っていますか。
まだ、社会に慣れていない若い人は、あまり快く思わないかもしれません。
でも、社会に出たら、愚痴はためずにどんどん言ったほうがいい。
頭が切り替わり、新しいアイデアが湧いてくるからです。
今、私は講演のため日本全国を回っており、講演終了後は、アンケートを書いていただいています。
ありがたいことに、「ためになった」「おもしろかった」という評価をいただくことが多いのですが、
ごくまれに否定的な意見を書かれる方もいらっしゃいます。
もちろん、どんな意見も真摯に受け止めるよう努め、次の講演に生かすようにしています。
しかし、心にグサッと突き刺さるような意見もある。
私も人間ですから、そんな時は落ち込みます。
でも、だからといって、誰かに八つ当たりしたり、
聞きに来てくださったお客様に対して怒ることはもちろんありません。
行き場のない気持ちは、いったん腹にため、
心を許せる人に会った時に、愚痴としてこぼすようにしています。
現在の私の場合は、「家族」に愚痴を聞いてもらっています。
落胆した気持ちや怒りは、時間が経つと消化して、外に排泄されるようになっています。
時間の長さは人によって異なるでしょう。
少しでも早く、排泄してしまいたいのなら、誰かに話してしまうのがいちばんです。
自分の中にため込んでおかない。
物を食べたあと、体を動かしたりして運動すると、
きちんと消化して、栄養分は体内に取り込み、いらないものは外に排出されます。
同様に、体の中に入った落ち込んだ気持ちや怒りも、
「人に話す」「愚痴をこぼす」という運動によって、きちんと排泄ができます。
しかも、できごとを話すことで、
「あの時は、落胆したけれど、勉強になった部分もあるな」と気づきも生まれる。
その気づきは栄養分(=学び)として、自分の中に蓄積され、
次に同じ場面があった時に、生かすことができます。
「愚痴をこぼす」のは、いけないことではなく、
気持ちをすっきりさせる消化酵素のようなものなのかもしれません。
落胆した気持ちや怒りを腹にためておくと、体によくありませんし、
それらがいつまでも頭の中を占めていると、新しい考えが生まれてくる余地がありません。
私は、若い頃から、落ちこんだり、憤慨したりすると、同僚や先輩に愚痴をこぼしていました。
すると、すっきりして、新しい力がみなぎってくるのを感じました。
普段から、落ち込んだ気持ちや怒りをためないように、
しょっちゅう同僚や後輩と食事をしたり、飲みに行ったり、あるいは麻雀をして遊んだりもしていました。
今思うと、遊ぶことで気持ちを切り替え、ストレスを一掃していたのでしょう。
だからこそ、いつまでも落ち込まずに、
『ガリガリ君』をはじめ、次々と新しい商品開発に挑戦することができたのかもしれません。
鈴木政次すずきまさつぐ
“ガリガリ君”の開発者そして育ての親
1946年 茨城県出身。1970年 東京農業大学農学部農芸化学科 卒業後、赤城乳業株式会社に入社。1年目から商品開発部に配属される。愛すべき失敗作を生み出しながらも、「ガリガリ君」、「ガツンとみかん」…
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