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2008年12月15日

根性なんていらない?!

前回は、アサーションを使った伝え方について紹介しました。今回は、前回に引き続きアサーションがテーマですが、言いたいことが言いやすくなるちょっとした伝え方をご紹介します。

「前置きをつける伝え方」。
言いたいことをさらっと言うアサーション、できるならとっくにしていますよね。しかし、今まで自分よりも他人を優先し、非主張的であった方には、いきなり「アサーションしましょう!」と働きかけたところで、逆にストレスになることもあります。しかし、言いたくないことを無理して主張することはありませんが、言いたいのに我慢して苦しいのであれば、やはり言ったほうがストレスは少なくて済みます。そこで、「思い切って言うぞ!」と勇気が出た時、「えい、やあ!」とバンジージャンプ並みの根性を出さなくても言いやすくなる伝え方が「前置き」です。

「これを言うのは勇気がいるけど、思い切って言うね」
「嫌われたくはないけど、大切なことだから伝えるね」
「あなたとはずっといい関係でいたいから言います」
「評価が下がったら怖いですが、今後のこともありますので言わせてください」
「君が心配だから言わせてもらうよ」
「キツイ言い方だったら、ごめんね」
「冷たい人間だと思わないでね」

このように、自分が言いたいことを言う前に前置きすると、不思議に緊張が緩んで言いやすくなります。それに、言われる方も「何か来るぞ」と、スタンバイしてくれるのでダメージを最小限に食い止める効果も期待できるのです。

さて、この前置きの伝え方、なぜ緊張が緩むのかというと、実はすでに一番言いたいことを言っているからなのです。 「これを言って、嫌われるのが怖い・・・・」、「こんなこと言って評価が下がるのが不安・・・・・」、「これを機に関係が壊れるのが怖い・・・・・」。言いたいことが言えない人の多くは、このように恐怖心や不安があります。その奥には「傷つきたくない」という防衛心が働いているのです。ですから、傷つくかもしれないことから自分を守り、言わずにいる選択を無意識にしています。この「起きたら嫌だな」と思っていることこそが、自分が最も言いたいことである場合が多いのです。この「前置き」は、それを先に開示することで、防衛心を自然に取り除く効果があり緊張が緩むのではないかと考えます。

上司や部下、同僚に、リラックスした状態で言いたいことが言えるようになったら、働く上でのストレスがかなり激減するのではないでしょうか。 この前置きをしてアサーションする場合は、「どうなると傷つくのか」が自分で分かっていることが大切です。そのためにまずは普段の自分の心の声を聴けるようになることです。心の声の聴き方はVol. 2 「心の声を聴く」でご紹介していますので是非お立ち寄りください。

岩井結美子

岩井結美子

岩井結美子いわいゆみこ

株式会社コンシャスインターナショナル代表取締役

営業、人材教育、コンサルティングとさまざまな現場での活躍から心療内科の心理カウンセラーへ転進。カウンセリングの現場で女性患者へメイクを施したことで、心理的な問題の解決につながったことをきっかけに、メイ…

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