前回、どのような業務にデジタル化を行えばよいかは、企業の事業規模や業種、社員のITリテラシーによって異なるとお話ししました。では、具体的には、どこをどのようにデジタル化を進めていくのかをご説明します。
まず初めに行うことは、デジタル化予算の算出です。デジタル化の予算は一般的に、年商に対して1%が適当とされています。年商が1億円の場合は100万円、年商が5億円の場合は500万円を年間の予算になりますので、現在、それを上回っているか、下回っているか確認してみてください。
次に、上手なデジタル化を行うための流れは以下のようになります。
- 導入検討と経営判断(導入目的・基本方針の決定)
- 推進体制の構築(プロジェクトチーム結成)
- 現状分析(業務分析)
- 導入に向けた具体的推進
- 試行導入
- 効果測定(問題点の発掘/対策実施)
- 本格導入
中でも特に重要なのは現状分析(業務分析)です。現在の業務の状況を把握することで、必要なツールやシステムが明確になるからです。業務分析のチェックポイントは以下の5つです。
- 業務時間:業務にかかる時間がどれくらいか
- 使用文書:どのような書類を利用しているか、紙か電子か、電子化の必要な文書はどれくらいか
- システム:実施可能なシステムは存在するか、セキュリティは担保されているか
- 個人情報:業務上取り扱う個人情報などはあるか
- コミュニケーション:業務は何人で行うか、やりとりの頻度はどのくらいか
デジタル化を進める上で必要な業務分析やツールの選定、導入にかかる費用や研修に関して、今は国から多くの補助金や助成金も出ているので、それらの支援制度を活用してみてはいかがでしょうか。最初は何から手を付けたら良いか難しく思われるかもしれませんが、専門家のサポートがあればスムーズなデジタル化が可能になるはずです。
久原健司くはらけんじ
株式会社プロイノベーション代表
1978年生まれ。 2001年東海大学工学部通信工学科卒業後、ITの人材派遣会社に入社。大手コンビニエンスストアのPOSシステム保守運用業務を担当する。2003年からソフトウェア開発会社で、システム…
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