日本のみならず、世界中において、いつ、どこで何が起きるか分らない昨今。想像すらできない、百年に一度と言われるような大きな出来事や災害が連続して発生し、私達にこの上ない苦難を与え続けている。また、経済においても程度こそ違え、多くの困難をかかえ、ますます先が見通せない状況が続いている。経営者は、そんな厳しい中にあって、明日何が起きるか、同業他社は何を仕掛けてくるのか、消費者ニーズはどのように変化するかと、全く気の休まる時が無い状況であろう。
しかし、私の周りには、大変、大変と言っているわりには、のん気としか思えない経営者が結構多い。社員とさほど変わらない時間に出社し、休みはカレンダー通り。日中は度々のゴルフ。夜はほぼ連日、外での飲食。呆れるばかりである。忠告するほどの間柄ではないので呆れて見ているのだが、こうした経営者であれば、経営が厳しいのは自業自得、自らが蒔いた種ではないか、と言いたい。そんなのん気な経営者に限って、周囲への不満を口にし、他への責任転嫁をし、常に楽をして儲けたいと願い続けている怠け者が多いように思う。老婆心ながら、その内不幸な事態にならなければ良いのだが、と思ってしまう。
経営者はいつの世も、良い時も、悪い時も、多くの人々の期待に応え続ける情熱を持ち続けねばならない。常に率先垂範し、超現場主義を貫き、何よりも超お客様第一主義でなければならない。その為には、来る日も来る日も、始業4時間以上前に起きる超早起きをし、やさしさと感謝の気持ちを持って、自らの心身を鍛えるための地域清掃をし続ける。辛いけれども、やり通すことにより、2割の社員が、人財となって必死についてきてくれるようになるからだ。経営者にこうした自分を律する強さや信念があれば、経営に中長期計画は要らないと私は断言する。(多分に独断的ではあるが…)この混沌とした現代では、計画を立てたとしても、絵に描いた餅でしかないと思えてしまうのだ。
私は今、あえて”行き当たりバッタリ経営”を薦めたいと思う。振り返ると私自身、25歳で喫茶店を開業。29歳でカレーハウスを創業し、53歳で食堂業を引退した。54歳でNPO法人を設立し、58歳で音楽ホールの経営者となった。またその間、節目となる多くのことは、それこそ、その時の状況の中で、行き当たりバッタリで決め、実践してきたにすぎない。仕事のことを常に考え、よそ見をせず、労を惜しまず、経営に没頭さえしていれば、今、真に何が必要なのかが見えてくる。”行き当たりバッタリ経営”こそが、理詰めの手法にとらわれることのない、継栄の為の最高の経営手法といえる、とあえて断言しよう。
宗次徳二むねつぐとくじ
カレーハウス CoCo壱番屋 創業者
生後まもなく孤児院に預けられ、3歳で「宗次」姓の養父母に引き取られる。養父のギャンブル狂によって各地を転々とし、養父母の離婚の後は養父と2人、生活保護を受ける極貧の少年時代を過ごす。 自ら学費を稼ぎ…
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