信じられないほどの大災害、信じたくないほどの被害を引き起こした原子力発電所の放射能漏れ事故。あれから丁度一年が経過した。この世で起こりうる最大級の災いを私達は体験した。勿論、家族や友人をなくした人々、有形無形の大切なものを無くした多くの人々の辛さは計り知れなく、悲しみは癒えることは無いであろう。
復興計画も紆余曲折、中々前に進まないのが現状だが、はっきりとしている事は、何が何でも私たちの国、日本はこの最大級の難局を乗り越え、復興し復活しなければならないと言うことだ。私達一人ひとりに、今こそやさしさと強さ、忍耐と不屈の精神が必要なのだ。日本は今、真の力を試されているのだ。それゆえに、何としてもこの試練を乗り越えねばならない。
私達経営者も、バブル景気が崩壊し20年余りが過ぎた。もう殆ど余力が無いほど厳しい状況の中で、もがき苦しみながら経営を余儀なくせねばならない経営者は何と多いことか。それは黒字経営の法人数からも明らかなのだ。ただ、多くの人々から期待され会社経営をしているのであれば、何が何でも生き残り、勝ち残らなければならない。
経営者はいかに状況が厳しくとも、責任転嫁をする事はできない。また、他力本願では何一つ解決は望めない。今の逆境、困難、ピンチを乗り切るには、何度も言うが、社長自身が大変身する以外に無いのだ。変身すると言うよりは、起業したあの日、会社を引き継いだあの時に戻れば良いだけのこと。不眠不休をいとわず、寝食を忘れて頑張ったあの時に戻れば良いのだ。家族、社員、お客様や多くの期待をしてくれる人々の為に、社長自身が我が身を経営に捧げることだ。それ以外に、今の超弩級の難局を乗り越える手立ては無いと覚悟することだ。人生、経営において最後のチャンスとして、決して後悔する事が無いように、今こそ経営に没頭していただきたい。
日本の試練、ピンチ、逆境もそうだが、自身の人生におけるそうした苦難や経営における逆境やピンチも、すべては同じなのだ。いずれも、何としても、何が何でも、復興・復活・再生し、更に発展しなければならないのだ。やさしさと、強さと勇気を持ち、困難に立ち向かっていただきたい。
24回に渡り、自称三流経営者の独断と偏見に満ちた内容でしたが、お読みいただきましたことを、心より感謝しお礼申し上げます。
最後に、皆様の人生、経営が右肩上がりとなりますよう、心よりお祈りいたします。ありがとうございました。
宗次徳二むねつぐとくじ
カレーハウス CoCo壱番屋 創業者
生後まもなく孤児院に預けられ、3歳で「宗次」姓の養父母に引き取られる。養父のギャンブル狂によって各地を転々とし、養父母の離婚の後は養父と2人、生活保護を受ける極貧の少年時代を過ごす。 自ら学費を稼ぎ…
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