仕事で道に迷ったら、先を急がず、”原点”に戻ろう

いかなるビジネスパーソンにおいても、たとえビジネスにおける”崇高なミッション”を堅持し、毎日、相当な熱情を持って仕事をしていても、時には、「高いモティベーションを維持できない」「どうしてもやる気が出ない」という事態に遭遇することがあると思います。

言うまでもなく、人間は本来、「日々、感じながら生きる存在者」。したがって、人間は皆、迎える一日一日において、ありとあらゆるビジネスシーンを通して様々な人々との出会い・コミュニケーションを経験し、皆、それらの影響をダイレクトに受けます。

例えば、ある時は、ある取引企業の担当者と打ち合わせをした後、その相手から”意気揚々としたエネルギー”を吸収する場合もありますが、その一方では、時として、何らかのきっかけで、自分にあったモティベーションが著しく下がり、「やる気をなくす」という事態も起ります。

今回は、自分自身のモティベーションが著しく下がってしまったとき、一体どのようにして自身のモティベーションの回復・改善、あるいは、更なる向上を実現できるのか、その方法を考えてみたいと思います。

今回、皆さんにご提案する考え方は、「モティベーションが著しく下がってしまったときは、”原点”に戻る」ということです。概して、人は、道に迷ってしまったとき、冷静さを失い、「平常心」を維持できなくなります。そうなると、人は、とにかく「先」を見ようとします。無論、何事においても、「”先”を見る」という行為は大切です。しかし、それは、自分の道を一歩一歩しっかりと歩んでいるとき、即ち、「自分の”心”が平常の状態のとき」に言えることです。

仕事において道に迷ってしまったときには、とにかく、冷静さを維持し、これまで自分がやってきたことを振り返り、「最初の出発点」を再確認・再認識するということが大切です。

人間は、常に自分をしっかりと持っていないと、何かをきっかけとして横道に逸れ、知らず知らずのうちに、本来、自分が本当に実現したい夢・目標・計画について忘れていきます。そして、当初、自身がそれに着手し始めたときに持っていた「純粋な気持ち」「謙虚な姿勢」も、それと同時に崩壊していきます。人間は、自身の生き方において、この「純粋な気持ち」「謙虚な姿勢」の崩壊について気づくことなく”何らかの安易な方向”へと向かい始めたとき、本来、自分が本当に望んでいた夢・目標・計画とはまったく逆の道へとどんどん進んでいってしまうのです。そして、それを何年も放置したままにしておくと、それは、まさに、「後の祭り」と化してしまうのです。

このコラムをお読みになる読者の皆さん、今ここで、再度、「最近の自分の行動」について振り返ってみてください。もし、現在における自分の行動（有様）について自分自身が”不満足”、あるいは、”違和感”を感じるならば、それは恐らく、本来において自分が望んでいる方向性ではないのだと思います。

仕事において道に迷ったら、先を急ぐことなく、まずは「原点」に戻ってみましょう。勇気を持って、そして、勇敢に「原点」を見据えることで、今現在における「自分自身の立ち位置」を再確認することができます。

現在、自分が置かれた立ち位置・状況について客観視できたなら、自分の心の中において、1）「今日の”この今現在”から一体何をするべきなのか」、そして、2）「日々の業務においてどのような精神基盤を堅持するべきなのか」について、はっきりと、且つ、具体的に見えてくると思います。「原点」、あるいは、「基本」「根本」は、常に、人間に”道”を教えてくれます。