2011年3月11日(金)、突如、東北・関東地方において、我が国観測史未曾有の大地震が起りました。この場をお借りして、被災地においてお亡くなりになられました多くの方々に対して哀悼の意を表すると共に、被災された方々に対しまして心からお見舞い申し上げます。
決して忘れることのできないあの日、2011年3月11日(金)、東北・関東地方の人々は、まさに未曾有の経験というべき、極めて悲惨な自然災害を経験しました。この日のあの時間帯において、一体どこの誰が、あのような最悪の事態を招くということを予想していたでしょうか。
かつて、1995年1月17日(火)、我が国は、まだ記憶に強く残る阪神・淡路大震災を経験しました。当時、わたくしは海外におりましたが、日本に滞在中のアメリカ人の友人が、電話で、その恐ろしい状況について、”devastating”という言葉を用いてわたくしに伝えたことを、わたくし自身、”極めて強烈な印象”としてはっきりと覚えています。その当時、わたくしは、その僅か16年後、英語で再び、この恐ろしい言葉、”devastating”という言葉を使うとは決して想像すらしないことでした。
この連載コラムにおいて、わたくしは、Vol. 76『銀座書斎の窓から見える”仕事人生における2つの様相”』において、「包括的リスクマネージメントの根底にある精神」について述べました。その精神とは、即ち、「今現在、いかなる状態であろうとも、決して現状に甘んじることなく、常に危機感を持ち、”謙虚な姿勢”・”真摯な姿勢”を基盤として誠実に仕事をしていく」ということです。
思うに、この地球に存するいかなる人間においても、常に、共通する一つの真理があります。その真理とは、「リスクは、常に、目の前にある」ということ。このことをビジネス社会において述べるならば、「どのようなビジネスにおいても、リスクのないビジネスは一つも存在しない」ということです。
我が国における観測史上最大級の大地震を経験した日本は今、様々な困難に直面しています。私たちは今、この困難な状況において一体どのような方向に向かってより良い国づくりをしていくべきなのか、……今、私たちはまさに、理屈を論じるにとどまるのではなく、「具体的な行動の積み重ね」を通して前に進んでいくべき時なのだと考えます。
日々の生活において、わたくしは、毎晩、就寝前において必ず考えることがあります。それは、「私は、明日の朝も、今日の朝と同じように目を覚ますことができるのであろか」ということです。
わたくしは「今現在、自分の力で呼吸をすることができる」「今現在、生きていられる」というその事実を”当たり前の事実”と捉えず、心の奥底から感謝しながら毎日一秒一秒を刻んでおります。そんな私にとって、新たに迎えた一日一日において、「その日のラスト・ステージである”就寝直前”」に、「明日の朝、目覚めることができだろうか」と考えることは、言うなれば”自明の理”といえることです。
「今現在、生きていられる」「今現在、働くことができる」という事実は、単なる事実ではなく、まさに、”奇跡”そのもの。私たち人間は、この奇跡に感謝することなく、一体何に対して感謝するというのでしょうか。
わたくしは、今、再び、はっきりと明言します。「”生きていられる”・”働くことができる”ということに対して感謝する気持ちを大切にしながら毎日を送るならば、仕事人生において、そう間違った方向性に進むことはない」ということを。本来、間違いというものは、「生きる」、そして、「働く」という事実に対して盲目となり、それに対して感謝する気持ちがなくなったときに生じるのだと思います。
私たち人間は、毎日の一秒一秒を”当たり前の事実”として捉えるではなく、常に、一秒一秒の面前で”謙虚な姿勢”・”厳粛な姿勢”でいるという行為の中において、「生きる上での”尊厳性”」を見い出すことができるのだと考えます。
「すべての存在物・有様に対して感謝する心」、……日々のビジネス・シーンにおいて、このことを決して忘れることなく、心の中でしっかりと一秒一秒を刻んでいきたいものです。
[追記]
再び、被災地において様々な困難と闘っている多くの皆様方に対しまして、心からのお見舞いを申し上げます。この場をお借りして、被災地の皆様方が一日も早く、安全で平穏な日常を取り戻すことができますこを心からお祈り申し上げます。
生井利幸なまいとしゆき
生井利幸事務所代表
「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…
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