去る2009年1月20日、ワシントンD.C.の合衆国連邦議会議事堂前において、バラク・オバマ第44代合衆国大統領の就任演説が行われました。この就任演説は、アメリカ国内だけでなく、世界中の人々から大きな注目を浴び、演説は、多くの識者によって高く評価されました。
今回の大統領就任演説において日本のビジネスパーソンが学べる最大のポイントは、オバマ大統領が備える「力強いリーダーシップ力」と「責任の意味」ではないでしょうか。オバマ大統領は、昨年の大統領選において実にエネルギッシュに「変化」(change)を提唱したことは世界中の人々の知るところです。しかし、変化を実現するためには、それなりの「代償」が必要とされます。
オバマ大統領は、就任演説において、”what is required of us now is a new era of responsibility.”(今、私たちに求められているものは、新たな責任の時代である)と述べました。
オバマ大統領が述べる”その責任”とは、1)「自分自身に対する責任」、2)「国に対する責任」、3)「世界に対する責任」です。そして、大統領は、「その責任は、嫌々ながらに果たすのではなく、喜びを持って果たすべきものだ」という趣旨を、声高らかに明言しました。
引き続き、オバマ大統領はこう述べます。”This is the price and the promise of citizenship.”(これが、市民であることの代償と約束である)と。
真のリーダーシップ力。これは、まさに、
1)「人の心を掴む力」、
そして、
2)「実際に、人を動かす力」
だと私は強く感じます。
不景気の真っ只中にある日本。今、この国の個々の企業体に求められているものは、組織としての企業体に熱いエネルギーを注入してくれるビジネスリーダーであると私は考えます。今、日本経済が求めるリーダーは、甘い言葉で人の心を掴もうとする”責任不在のリーダー”ではなく、「今現在において、日本経済が現実に直面している問題に真正面から正々堂々と臨み、”ビジネスにおける真の責任”について教え導くリーダー」ではないでしょうか。
アメリカ人にとっては、アメリカ人一人ひとりが自分自身の責任を果たすこと、それが「アメリカ市民であることの代償と約束」。
日本の企業人にとっては、日本の企業人一人ひとりが自分自身の責任を果たすこと、それが「日本の企業人であることの代償と約束」。
今、日本の企業人に求められていることは、「自らの責任を果たすこと」であると私は強く感じます。このような冬の時代においては、まず第一に、「自分を律し、自分を戒め、自分の責任を果たすこと」に全力を尽くすことが、この時代の難局を乗り越えるための唯一の方策なのだと考えます。
ビジネスにおけるどのような困難にも耐え忍び、しっかりと自分の責任を果たす…、このような表現を用いると抽象的でわかりにくいと感じる人もいると思いますが、実際は頗るシンプルなことです。その責任を果たすためにはじめに行うべきことは、まず、「誠意を持って、目の前の仕事を行う(目の前の課題に取り組む)」ということです。
「小さな努力の積み重ねが大きな成果を生む」ということは、業界を問わずして、ビジネスにおける”自然の理”であるに違いありません。
生井利幸なまいとしゆき
生井利幸事務所代表
「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…
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