グローバル化が著しい今日の現代社会においては、日本語と英語のバイリンガル・スピーカーの存在は、決して珍しい存在ではなくなりました。
一口にバイリンガルと言っても、
1)「ただ単に英語が喋れる人」、
2)「国際的に通用する教養・見識を備えた人」
など、実際の能力においては雲泥の差があります。
私の友人にはバイリンガルの人が多いですが、
ある友人(女性)は職場に外国人の同僚がたくさんいます。
そして、日々の実際のビジネスにおいても英語を日常茶飯事に使っています。
ここからは、彼女の”バイリンガル度の高さ”について触れたいと思います。
彼女は、ビジネスにおいて、1)「日本語における自分」、2)「英語における自分」を明確に切り替える達人です。
彼女の日本語は極めて繊細。彼女は、まるでテレビ局のアナウンサーのように綺麗な日本語を喋ります。そして一方、接する相手が外国人となると、まるで、ちょっと前まで日本語を喋っていたのが嘘のように”極めて流暢に”英語を喋ります。
彼女の英語は洗練された標準英語。英米人のみでなく、世界中のイングリッシュ・スピーカーと妥当なコミュニケーションを図ることができる”真の国際英語”を喋ります。日本の英語学習者のほとんどは、アメリカ・ハリウッド映画に登場する俳優たちが喋るアメリカ英語の真似をすることばかりに目を奪われますが、彼女の英語には、スラングや略式の表現が出てくることはありません。彼女は、海外のいかなる「教養人」(cultured person)ともコミュニケーションを図ることができる「品格のあるエレガントな英語」を喋ります。
私は、彼女が日々のビジネスシーンにおいて実践する「国際コミュニケーションにおける”ダブル・スタンダード”(二重の基準)」は、日本のビジネスパーソンに”ビジネスコミュニケーション術の極意”を教えるものだと感じます。
即ち、ビジネス社会は、まさに、様々な個性、実務経験、人生経験などを備えた相手と接する”多種多様なコミュニケーションの坩堝”。そうは言っても、どのようなビジネスパーソンといえども、自分にとって心地よい人との接し方というものがあります。
真の意味での優れたビジネスパーソンとは、接する相手の個性・持ち味に応じて、自分自身のコミュニケーション術を即座に変えることができる人。「自分はこうだから」という頑固さが先んじ、相手の個性・持ち味を尊重しようとしない人は、他人の目からは、結局、”融通の利かない石頭”としか映りません。
どうでしょうか。既に述べたバイリンガルの友人の場合、異なる言語同士の壁を超えて、極めて柔軟性のあるコミュニケーション術を基盤として日本語と英語で自分の振舞い方を変えています。バイリンガルの国際コミュニケーションスキルを前提に考えると、日本語で、相手に応じて振舞い方を変えるということは、”自分自身の心構えひとつ”でかなり改善できることではないでしょうか。
ビジネスの流れは、”コミュニケーションひとつ”で劇的に変わります。今こそ、あなた自身が、現在のコミュニケーション術にさらに磨きをかけ、よりダイナミックなビジネス展開を図ることを期待しています。
生井利幸なまいとしゆき
生井利幸事務所代表
「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…
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