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2009年10月09日

会社の社会的信用にタダ乗りするのではなく、”一個人としての力量”を養おう

私のオフィスは、東京・銀座3丁目の銀座マロニエ通り沿いのビルにありますが、毎日、外から、「新鮮で美味しい豆腐はいかがでしょうか…。」という爽やかな声が聞こえてきます。今、改めて豆腐一丁の値段を考えると、「街を歩きながら豆腐を売る」という行為について色々と考えさせられます。

「一丁の豆腐を売るために、汗を流しながら自分の足で歩く。そして、自分の声で人を呼び寄せ、一人ひとりの顧客に”単価の安い商品”をコツコツと売る」という仕事をするということ。この仕事をしている人は女性の方ですが、恐らく、同世代における一般的な会社員と比べると、遥かに、「汗一滴の重さ・尊さ」、そして、「お金の価値」がわかる人でしょう。

「大地の上にしっかりと足を踏み入れ、”自分自身の足”で前に進み、人様に<喜び><幸せ>をお届けする」、想像ですが、この人はおそらく、迎える一日一日において、「生きる」という意味をしっかりと噛み締めながら、一瞬一瞬、時を刻んでいるのではないでしょうか。これからも、この人は、経験に経験を重ねながら、さらに、「人の世におけるエッセンス」を感じ取っていくものと想像します。

毎日、恵まれた環境において何不自由なくビジネスライフを送っていると、仕事でもプライベートでも、そのすべてが「当たり前」と化してしまいます。

例えば、
   …毎月、決まった給料を貰えるのが当たり前…
   …仕事は、常にあるのが当たり前…
   …会社が自分を保障してくれるのが当たり前…
   …時間は、あるのが当たり前…
   …自分は、健康であるのが当たり前…
   …臓器は、使い放題使えるのが当たり前…
   …水は、飲みたいときに飲めるのが当たり前…

日々の生活において、一事が万事、このような考え方で過ごしていると、

   1)「人間として本当に大切にするべきことは何なのか」
   2)「私たち人間は一体何者なのか」
   3)「この世に生まれてきたのは一体何のためなのか」
   4)「”一個の存在者”として価値ある生き方とは一体どのような生き方なのか」
   5)「自分は一体何のために働いているのか」

などについて、極めて盲目となってしまいます。

一般論として述べますが、日々、”会社”という組織で何となく働いていると、人は、時として、「自分自身の本当の力量」について盲目になることがあります。

例えば、世間一般において、誰でも知っている会社で働いているビジネスパーソンの場合、新規の打ち合わせ・商談等を行うとき、相手に名刺を出し、「…会社の…と申します。」と自己紹介をすれば、比較的スムーズに話が進むことが多いでしょう。しかし、実際、そのスムーズさの背後にあるものは、名刺を出す本人の力量というよりは、「…会社」という組織の名前が持つ”社会的信用”そのものです。

大抵の場合、企業で働くビジネスパーソンは、組織が備える”社会的信用”の恩恵を受けて、「自分」という存在を、世間一般や取引相手から認めてもらえるわけです。この、<会社の”社会的信用”を前提として自分という存在がある>という事実についていかに捉えるかということは、「人が将来、ビジネスパーソンとして、どのような成長を遂げ、どのような成果を出すことができるか」という問題に対して、極めて大きな影響を与えるものとなるものです。

この問題について大きく分けると二つの捉え方がありますが、それらは、以下のような捉え方に大別することができるでしょう。

<1>「会社の組織力に”タダ乗り”して、組織にぶら下がって会社員生活を送る」

<2>「”一個人としての自分”という存在を客観的に捉え、今の自分は会社組織を前提として成り立っているという事実を、謙虚に、そして、厳粛に捉え、常に自分自身を高めること・磨くことにエネルギーを注ぎ、会社の更なる発展のために全力を尽くす」

昔も今も、仕事を成功させる人は皆、「自分磨きにエネルギーを注ぐ人」です。即ち、組織の力にタダ乗りするのではなく、「常に自分を厳しく律し、自分を磨こうと切磋琢磨する人」がビジネスパーソンに必要とされる”パワフルな力量”を養い、自らの会社に営利を齎すのです。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

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