コロナに明け、コロナに暮れた2020年でしたが、2021年もとりあえずはコロナで明けました。そのような中、12月28日、まさに仕事納めの日に、経産省からDXについてのレポートが公開されました。
「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取りまとめました」という、少々長いタイトルがついています。これは、2018年に経産省がまとめた「2025年の崖」の克服のための施策がどこまで進んでいるかの中間報告としてまとめられました。2025年まであと5年、中間ではありませんが、そろそろ本気にならないといけませんよ、という経産省の意図が見え隠れします。しかしその結果は、危機的と言って良い状況です。
日本企業のDXは進んでいない!?
レポートの冒頭に
DXレポート発行から2年が経過した今般、DX推進指標の自己診断に取り組み、結果を提出した企業の中でも、95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていない
とあるように、全体的にはまったく進んでいないと言って良い状況です。
一方で着実な成果をあげている企業もあることから、経産省は「2極化」とも書いていますが、95:5では「2極」というのも少し無理があるように思います。経産省の立場はごく一部の企業がDXに成功すれば良いというものではなく、多くの日本企業がDXを達成して2025年以降の時代を乗り切っていけるように、ということのはずでしょうから、全体の5%だけが突出しているという状況は好ましいものではないでしょう。
コロナ禍のせいで在宅勤務が一般化するなど、DXにとっては追い風となる一面もありましたが、それが今後も定着するかどうかは予断を許さないようです。コロナ収束後には元の勤務形態に戻したいと考えている企業も多い様です。動きが急だったことの反動として、元へ戻ろうとする力が働いているのかも知れませんが、ここで元に戻してしまっては元も子もありません。
DXは、ITシステム更新の問題から企業文化刷新の問題へ
変革への動きを止めずに継続させるためにはどうしたら良いのでしょうか?今回のレポートで注目されるのは、「コロナ禍で明らかになったDXの本質」として「DXは、ITシステム更新の問題から企業文化刷新の問題へ」ということが上げられている点です。
「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することの必要性が明らかに
とあり、これが「DXの要」であるとされています。
前回の「2025年の崖」は主にレガシーなシステムの刷新を訴えていましたが、今回のレポートでは「企業文化の変革」が前面に押し出されたわけです。
DX人材の確保がポイント
企業文化の担い手は経営者であり、従業員です。DXを一過性の問題と捉えず、長期的な取り組みとして継続していくためには、経営者も従業員もマインドセットを入れ替え、新しい企業文化を創り、それを維持していくことが重要です。
経産省の中間報告の最後に、中長期の戦略として「DX人材の確保」があり、「変革を主導・けん引する人材をユーザー企業内に確保」することが求められています。そして最後に「恒常的なスキルのアップデート(リスキル)が推進される環境の整備」というポイントが挙げられています。DXに「完了」はありません。常に現状を疑い、スキルを磨き、改善を続ける。それこそがDXを前に進める方法なのではないでしょうか。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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