皆さんは、Adobe Flashをご存じでしょうか?かつてはWebブラウザでビデオを視聴したり、華やかなアニメーションを表示するためには必須のツールで、ブラウザのプラグイン(付加機能)としてして無料で配布されていました。スマホが無かった頃には、ほとんど(99%以上と言われています)のPCにインストールされていたということで、「マルチメディア」時代の必須のツールでした。そのFlashですが、開発元のAdobeが昨年(2020年)末でサポートが終了しました。
元々Webブラウザは、遠くにあるサーバーにどのようなファイルがあるかを表示するためのツールであり、動画や音楽を楽しむためには作られていませんでした。Webブラウザが誕生した1990年代は、まだまだネットワーク回線も細く、大きな画像や動画などをネット経由で見ることは非現実的だったのです。しかしネットワークの高速化は続き、1990年代の終わり頃から「マルチメディア」の時代になり、PCでも動画や音楽を楽しみたいという要望が出てきたのです。そこでWebブラウザにマルチメディア機能を追加するために開発されたのがFlashでした。
しかし、スマホの登場の前後くらいから、付加機能としてでは無くWebブラウザそのものを強化しようという動きが出始めます。今のHTML5ですが、開発が進むにつれ、当然Flashの出番は少なくなって行きました。Flashは、高機能であったが故にウイルスに付け狙われたことも不幸でした。Flashがセキュリティ上の脆弱性となってしまったため、主要なブラウザはFlashを使わないよう推奨し始め、ついにAdobeもサポートの継続を断念するに至ったのです。
しかし、今、大きな問題が発生しています。Flashのサポートが終了したにも関わらず、相変わらずFlashを使ったサイトがネット上に沢山残されているのです。FlashをインストールしていないWebブラウザーでFlashを使ったサイトにアクセスすると、その部分だけ何も表示されません。他のコンテンツがFlashでなければ良いですが、Flashを使ったサイトは多くの場合デザインにも相当凝っていますので、画面全体に何も表示されない、といったことが起きます。これではWebサイトを公開している意味がありません。
さらに懸念されるのは、そのサイトをどうしても見ようとして、ユーザーが古い(サポートが終了した)Webブラウザを使おうとすることもあるからです。その場合、当然Flashのセキュリティ上の脆弱性を突かれ、ユーザーのデバイスが侵害されてしまうかも知れません。
何故この様なことが起きるのでしょうか?Flashのサポート終了は2年以上前から言われていることであり、準備には十分な時間があったはずです。未だに放置している組織は、気づいていないのかも知れませんし、予算等の都合でやむなく放置しているのかも知れません。しかし、そのまま放置することはせっかく訪問してくれたユーザーをリスクに晒すことになります。こういったことを防ぐためには、Web担当者はニュースにアンテナを張り、最新のトレンドに敏感にならなければなりません。
Webのような最先端の世界において、ある技術がより優れた技術に置き換わって行くことは仕方のないことで、押し留めようがありません。大事なのは、環境は変化するものだということを肝に銘じ、サービスの開始時に定期的な見直しの仕組みを入れておくこと、何かあったときの改修費用などを見込んでおくこと、できればサービスの提供期限(EOL:End of Life)を定め、数年毎に新規に作り替えることを前提にビジネスプランや予算を作っておくなどの対策を考えておくべきでしょう。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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