このコラムでは、DXへの取り組みにおいては、大前提としてクラウドの利用が重要であると言うことを書いてきました。そのメリットには「使った分だけの課金」「最新技術への対応」「迅速さ」「低コスト」などが挙げられます。
クラウドを利用すれば、ハードウェアを購入したりシステムを運用したりする必要が無いため、導入展開が迅速に行え、必要無くなれば破棄することも簡単です。ビジネスの状況に合わせてリソースを増減できるため、無駄がありません。例えば大規模なキャンペーンを展開して1ヶ月間だけ応募サイトを運用するような場合、オンプレミス(自社運用)では想定外のアクセスがあった場合にサイトが落ちてしまいます。それに備えて大量にサーバーを購入すると、1ヶ月後には無駄になります。クラウドならそのようなことは有りません。あらかじめオートスケールするようにしておけば、想定外のアクセスがあってもサイトが落ちることはありません。
また、クラウドベンダーは競って世界最先端の技術を導入しようとしているため、顧客側が何もしなくとも、利用環境はどんどん更新されていきます。常に最新のセキュリティパッチがあてられ、最先端の技術を簡単に利用できるため、自社のシステムを世界水準に進化させることができます。オンプレミスのシステムでは、パッチやアップデートは自分で行う必要がありますし、新技術の導入も同様です。それに、ハードウェアや他のソフトウェアの制約で使いたい技術が使えないという可能性もあります。オンプレミスのシステムの入れ替えは通常5年に1回程度ですから、その技術を使うために何年も待たなければならないと言うことも考えられます。これは、変化の早い現代においては致命的な影響になりかねません。
そして、クラウドの利用料金はどんどん下がります。ハードウェアは日進月歩で高性能化し、コストダウンされますから、コストパフォーマンスはどんどん上がるわけです。もちろん下がることが約束されているわけではありませんが、アマゾンの場合、サービス開始以来数十回にわたって値下を行っていますが、これまで値上げされたことはありません。基本的には下がっていくのです。オンプレミスのシステムでは、最初に全部買ってしまいますから、その後ハードウェアが如何に値下がりしたとしても、その恩恵を受けることはできません。
このようにクラウド化にはコスト上のメリットがあるのですが、お客様から「せっかくクラウド化したのにトータルコストはあまり安くならなかった。」という話を聞くことがあります。それは何故でしょうか?次回はその原因について考えて見たいと思います。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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