このコラムでも以前、「DX人材は社内から見つけるべき」と題して、DXの推進にあたっては外部のIT人材に頼るのでは無く、遠回りに見えても社内の人材をうまく活用すべき、ということを書きました。最近流行の言葉で言えば「リスキリング」ということになるでしょうか。
以前のコラムでは、まずは社員のITリテラシーを上げることから始めるようお勧めしていますが、実際にはどこから手をつけたら良いのか、何をしたら良いのかわからないでいる企業もまだまだ多い様です。これに関係して、先日とあるセミナーでIT知識ゼロの社内人材を如何にして業務改革の中心に仕立て上げたか、という実例について紹介されていました。
ここではあまり詳細な内容は書けませんが、キーワードとしては、このコラムのタイトルにもあるとおり、「伴走型」ということになります。これは何かというと、IT知識ゼロの社員に教育コースを受けさせるだけではなく、同時に社内のシステム部門もプロセスの改善に参加したり、外部のコンサルタントと一緒に業務を進めるなど、社員の自助努力を「サポート」するプロフェッショナルを適宜配置する、ということです。決して学習ペースをリードしたり急がせたりせず、あくまでも学習者の自主性に任せ、そばに居て困ったときにプロの知見を提供し、成長を促す、といったイメージでしょうか。
このセミナーの例では、最初は社内公募でやる気のある社員(IT知識ゼロ)を募り、まずは自習ベースで勝手にやらせてみたところ、できあがったものは機能的にも抜けが多く、評価は悪かったそうです。そこで、システム部門が適宜アドバイスをしたり、外部のコンサルタントと共同でプロセスの改善を進める中で、社員が主導し、ノウハウを蓄積する事ができたということです。
個人のスキルや性格にもよるでしょうが、社内人材の活用を進めていく上で大事なアプローチなのかも知れません。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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