Web3という言葉を聞くことが多くなってきました。新しいバズワードなのですが、いつものバズワードよりもわかりにくい状況になっています。
そもそもが技術的な話で、ただでさえわかりにくいところへ、Web3とWeb3.0という2つの表記があることで、さらにわかりにくくなってしまっているのです。Web3もWeb3.0も同じものだ、という乱暴なことを書いている記事もありますが、厳密にはこれらは違うものです。同じ様な時期に違う人が違うことについて言い出したため、混乱しているということなのでしょう。
Web3とか3.0があるのなら、1や2があるのか?と言うことになりますが、Web1というのはありません。そもそも1990年代にインターネットが普及し始めた頃に構築された最初のWebが、1にあたるものと考えられます。その後2006-7年くらいに、Webブラウザーの技術革新によってユーザーインターフェースが飛躍的に高まったという出来事があり、これを「Web2.0」と呼びました。その歴史を考えれば、今回Webに起こった新たな技術革新は「Web3.0」というのが正当な流れでしょう。先に言い出した方が3.0を名乗り、後から出てきた方が仕方なく3を名乗った、ということなのではないかと考えられます。
Web3.0は、「セマンティック・ウェブ」とも呼ばれます。Webサイトのコンテンツに「意味」を持たせようとする取り組みです。
今のWebサイトでは、そこに表示されている文字や数字に(コンピュータにとっての)意味はありません。「ハワイ往復の航空運賃は30万円です」というサイトと、「○○市の人口は30万人です」というサイト、そして「○○市は人口30万の都市です」というサイトがあった場合、「30万」という文字列はそれぞれただの文字情報であり、コンピュータにとっては全く同じ、単なるデータです。もちろん、人間は前後の意味を読み取って、それぞれ「航空運賃」「○○市の人口」というように理解できます。
さて、あなたが人口30万人の都市を調べたいと思って「30万人」というキーワードで検索をかけたとしましょう。通常の検索では、2番目のサイトしか引っかかってこないということになります。しかし本当は、3番目のサイトも検索結果として表示して欲しいですよね?
これらのサイトが、各々の数値にそれぞれ「航空運賃」あるいは「人口」のことであるという「印」を付けておけば、検索が容易になったり、プログラムがサイトの情報を集めて自動処理するような場合に便利です。これが「意味を持たせる」ということです。現在、「印」の付け方を標準化しようという取り組みが行われており、それが「Web3.0」と呼ばれているのです。
では、Web3とはどのようなものなのでしょうか?
今回は長くなってしまいましたので、Web3については次回のコラムで解説します。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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