最近、AIの話ばかり書いていますが、GPTに代表される生成系AIが登場したインパクトは、ここ最近でも最大級の出来事だと思いますので、もう少し続けます。
ChatGPTの進化版であるGPT4も無事発表され、MicrosoftはOffice製品にAI機能を持たせることを発表したり、Googleが対抗するサービスを発表したりと、この1ヶ月もいろいろな進化がありました。IT業界がこれだけ大きな動きを見せるのも久しぶりのことです。
その中で、「プロンプト・エンジニアリング」という言葉が注目を集めています。横文字だと何やら難しい技術のように聞こえますが、「プロンプト」とは質問や指示のことで、要するに「AIをうまく使いこなすための技術」といった意味合いのものです。元は心理学の用語だそうです。
ChatGPTが公開されて話題になり始めた頃に、その精度がまだ低かったせいもあり、「自信たっぷりに大嘘をつく」といったネガティブな評価をする人がいました。(今でもいますが)GPT4になって精度は飛躍的に上がったとも言われますが、間違いが完全に無くなるわけではありません。さまざまな人が生成系AIを使ってみた結果、質問の仕方で回答がまったく異なることが指摘されるようになりました。「xxについて」などという漠然とした質問では、無理に答えをひねり出そうとするために嘘をつく可能性が高くなります。逆に、前提条件を与えることで回答の精度を高めることができるのです。
例えば、「私は中小企業の経営者です」などと、質問の前に自分の立場を明確にしておくと、その立場の人に有用な回答を得られやすくなります。さらに、質問の最後に「1,000文字以内で」「箇条書きで」などと書いておけば、無駄に冗長な文章が生成されるのを回避できる、といった具合です。他にもさまざまなアイデアが議論されていますので、是非検索してみてください。
プロンプト・エンジニアリングはまだ数ヶ月の歴史しかない、本当に生まれたての概念ですから、まだまだ進化の途上です。しかし今後こういった知見が蓄積されていくことで、生成系AIの利用価値は高まって行くでしょう。
普通の検索エンジンを使う場合でも、キーワードの選び方や組み合わせで検索結果は異なります。うまくキーワードを選べる人は検索の効率も高いのです。プロンプト・エンジアリングは同じ事をAIに対しても行うことで、AIのもつポテンシャルを最大限に引き出すための新たなスキルということができます。なるべく早くこのスキルを身につけることが、企業の競争力のアップに繋がることが期待できます。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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