2023年は生成AIが一気に大ブレイクした年でしたが、最後にさらなる飛躍の予感を残して暮れようとしています。先月のコラムでもご紹介したように、11月からMicrosoftが365用のCopilotを日本のユーザーにも提供開始しましたが、その直後の11月中旬に行われたMicrosoft Igniteというイベントで、さらなる新機能や新サービスが発表されました。そしてそれに続き11月下旬に行われたAmazonのre:Inventというイベントでも、Amazon自身の生成AIが発表されています。この他にも、11月にはMeta(旧Facebook)やIBMを中心とした生成AI開発の新団体も設立されましたし、さらに12月にはGoogleがGPT4を超えるという次世代AI「Gemini」を発表しました。
生成AIの勢いは、落ち着くどころかさらに加速しています。これはAIサービスの提供企業自身がAIによって生産性を高めているためです。つまり、AIのビジネス利用は既に始まっているのです。2024年もこの勢いは続くとともに、この年末に発表された様々な機能が一般企業のビジネスにも適用されていくでしょう。2023年がブレイクの年ならば、2024年は実用化の年になると考えられます。AIをベースにした様々なサービスが様々な企業から提供され、それを使いこなせる企業とそうでない企業の格差は広がることになります。
それと同時に、今後はAI機能の有償化が進むと考えられます。様々なAI機能が、これまで無料で提供されていましたが、8月のコラムでも触れたように、生成AIに限らず、AIモデルの学習や推論には膨大な計算処理が必要です。クラウドのデータセンターで膨大なサーバーを稼働させなければならず、開発や運用には膨大なコストがかかっているのです。
これまでは「お試し期間」として無料で提供されてきたAI機能ですが、AIが実際のビジネスで有効に利用できることがわかった今、あちこちで有償化が始まっています。ChatGPTは既に月額$20の有償オプションを設定していますし、Microsoft 365 Copilotは企業ユーザー向けに月額$30で提供されます。新しく発表されたAmazonの生成AIも有償です。
生成AIにかかっているコストを考えると、これでも安い気がしますが、利用する側としては突然のコスト増に戸惑うかも知れません。検索などの競争の激しい分野では有償化は行われないでしょうが、Microsoft 365のような競争力があってAIの有効性が高い分野では有償化が進み、それに投資できる企業だけがその恩恵を受けられることになります。
2024年は、生成AIを使うかどうか、使えるかどうかが企業の生産性を左右することになるでしょう。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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