東日本大震災。
同じ思いの人も多いと思いますが、本当に心が痛みます。
わたしもまさにその日、仙台で講演していました。
阪神大震災の話をして
「昨日は今日を保障するものじゃないし、今日は明日を保障するものじゃない。
だからこそ、何があってもココロの元気が大切」そう言った10分後くらいの出来事でした。かなり長い間激しく揺れました。
「わたし、ここで死ぬのかなあ」そう思いました。
「埋もれるかもしれないから、携帯、手に持っておかなきゃ」そんなことを考えました。
収まっても停電。それでも、その時は、
「すぐに点くだろう」くらいにしか思ってなかった。
阪神大震災の時と違うのは、講演に参加している人の
多くがワンセグの携帯電話を持っていたこと。
ニュースがすぐに見れたこと。
津波のシーンが画面に出た時は、みんな、真っ青。
「講演の再開はない」と、判断した時に浮かんだのは、次の仕事のこと。
翌々日には、高知での講演がある。とにかく、東京まで戻らなければ…。
阪神大震災の時は、隣の県まで行けば状況が違っていた。
とにかく、タクシーを拾って福島まで移動。
実際、福島まで行くと電気が点いていた。
仙台からのタクシーを返して、郡山のホテルのロビーで一晩過ごした。
この時に初めて、ホテルのロビーのテレビで震災の規模の大きさを知った。
朝一番でタクシーを呼んでもらって、またまた8時間かけて東京に戻った。
「どうなるのだろうか」東京に戻っても、今度は原発などの不安が出てきた。
それでも、次の日、高知に。
高知に行くと、
「大谷さん、もう来れないかもしれないと思っていた」などと泣いてくれる参加者も。
それでも、高知は、東北と別世界だった。
阪神大震災の時もそうだったけれど、やっぱり、関係ない人たちは、
どうしても「何かしたい」と、思っていてもどこか他人事。
これは、無理ない。でも、できることは何か。
そこで、義援金を集めることに。みんな気持ちはある。
集まった数万円の義援金を「国境なき医師団」に寄付。
覚悟はしていたけれど、東京に戻ると
講演や研修のキャンセルの連絡や延期の連絡。
ありがたいのは、関西や九州、四国からはオファーの連絡があったこと。
「なるようにしかならない」こんな時こそ、生かしてもらえた自分に感謝して、
今、自分ができることと向かい合って、前に進むこと。
人生なんて、一瞬先も分からない。
ただ、今回のことで、やっぱり強く思ったこと。
残せるのは「物」じゃない。生き方とか生き方とかが、残る。
だからこそ、精一杯生きることが大切。
わたしは、もっと、もっとそんなことを伝えたい。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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