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2018年11月30日

里山十帖

 ソフトバンクの人材開発で働いていたTさん。彼は、当然のことながら
孫正義社長の影響を受け、社長をとっても尊敬していた。だから、好奇心も強かったし、独立心も強かった。
 そんな彼は、「いろんなことを勉強したい」「いろんな世界を学びたい」
と、思っていた。そして、たくさんの経営者と出会うようにしていた。いろんな経営者に出会っていて気付いたこと。
「経営者は、どこにいてもビジネスのことを考えている」
「経営者は、体は休めていても、頭は休めていない」
それらを知った時に思った。
「癒しではなく、クリエイティブになれる宿を作れないか」
そんなことを考えていて出会ったのが「自遊人」だった。

自遊人
http://jiyujin.co.jp/magazine/

しかも、その「自遊人」が宿をプロデュースしょうとしている。Tさんは、
「僕がやりたかったこと」
と、転職を決意した。そんな彼が、今、働いているのが「里山十帖」。

http://www.satoyama-jujo.com

 元々、Tさんを知っていたわたしは、
「なぜ、彼が旅館業に転職したのだろう?」
そう思った。でも、「里山十帖」のことは、気になった。ならば、
「行くしかない!」
と、彼を訪ねた。結果、いろいろ目からウロコ。
「クリエイティブになれる宿って、こうだったんだ!」
「ここなら、一週間篭って原稿を書いてみたい」
いろんなことを思わせてくれる。そんな宿だった。でも、Tさんの悩みを聞いて納得もした。
「分かってくれる人は、分かってくれるのですが、いろんな雑誌に取り上げ
られたら分かってくれない人もたくさん来るんです」
確かに、古民家を改造した宿に対して、
「なんでバリアフリーじゃないの」
などと言う人もいる。自遊にさせてくれるから、素敵な宿なのに、地産地消だからこそ、美味しいのに、
値段を見て、「加賀屋」を想像してくる人もたくさんいる。そんな人は、
「なんで、放置するの」
「料理は、なんで茶碗蒸しやアワビじゃないの?」
と、言う人もいる。何よりも、Tさんが感じたことは、
「サービス業って、こんなに低く見られてたんだ・・・」
ということ。ソフトバンクの人材開発にいた時は、人は、尊敬と敬意を持って
見てくれた。でも、ホテルで料理を運んでいると、とっても偉そうに言うお客さんもいるらしい。
「でも、すべて勉強です」
と、彼は、笑って話をしてくれた。
「クリエイティブになれる宿」
わたしは、応援したい!

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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