わたしは、偉そうにしたいわけでもなければ先生をしたいわけでもない。だいたい、吉本興業のマネージャーに始まって、27歳から企画会社の社長としてイベント制作、販売促進という仕事をしてきたわたしにとって、研修とか人材育成なんて仕事があることすら、33歳くらいまで知らなかった。それどころか、たまに、企画会社として講演の講師依頼の仕事を頼まれても、講師が講演している一時間半ほどの時間は、わたしたちイベント会社の人間にとっては、息抜きの時間だった。
研修なんて言葉を聞くだけで、正直「しんどー」と、思うほうだった。自分が人材育成や研修の仕事をすることになるなんて、少なくとも35歳くらいまでは考えたこともなかったし、こんなに本気にこの仕事をやっている自分は、ほんと奇跡としか言いようがない。
もちろん、中小企業の社長だったわたしは、ずっと、「人」については悩んでいた。いい人材が来ない。たまに良い人材を確保しても、仕事を覚えたら転職されてしまう。「これが、中小企業の宿命」とあきらめてしまっていた日もあった。そんなわたしが、今は、「人を育てられないのは、上司の責任」と自社の社員も含めて、「感じて、興味を持って、動く人づくり」に一生懸命になっているのには自分でも不思議な気分である。
なんでだろう、と考えた。
きっと、わたしは、時代と戦っているんだと思う。平均年齢が40歳を過ぎた日本で、どれだけやる気の無いおとなが多いか。講演会ひとつにしても、「やらなければならないから」という人がどれだけ多いか。そのくせ、フリーターやニートを責める。
時間を潰してお金をもらっている人と、何をしていいか分からなくて何もできないでいる若い子たちと、どちらが悪いのだろうか?
わたしに偉そうなことを言う資格があるとは、思っていない。だけど少なくとも、わたしは、自分の周りの若い子たちに対して、「夢と希望とチャンスのある国」にしてあげたくて一生懸命である。
そんなわたしに、いろんなことを言う人はいる。「大谷さんは、自分の好きなことを言ってお金をもらえていいね」「所詮はお金だろ」「いつまで吉本興業ネタで食ってるんだ」。正直、結構傷ついたりもした。でも、今は、開き直って言っている。「若い子を育成するためにはお金がかかるんです」「結構、自分にもお金掛かってるんですよ」。
実際、若い子たちと一緒にいると、お金がかかる。なぜかというと、彼らにいろんな体験をさせてあげたいから。お金のことで、彼らの視野狭めたくない。そして、本も読まなきゃだめだし、他の人のセミナーにも参加して新しい情報を得なければならない。
でも、楽しい。そして、そんなわたしに、賛同してくれる20歳代から70歳代の人までいる。わたしは、過渡期の人間だと感じている。きっと、時代を創るのは、次の世代の人たちだと感じてる。でも、ステキに過渡期を生きていたい。だから、人材育成に一生懸命である。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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