日本全国に行かせていただいていると、
酒蔵さんと知り合いになったりする。
100年、200年続いた酒蔵さんたちの熱い話を聞くと、
日本酒も応援したくなる。
東日本大震災の後、わが社では、
「わたしたちにできることを・・」と、
日本酒をPRさせてもらったり、贈答用に使ったりしてきた。
そんな中で、東北の酒蔵の若手経営者と対談させていただく機会を得た。
その中で出てきた話。
「ずっと、焼酎ブームなどにより、日本酒離れが続いていて、
なんとか頑張って海外に進出したところで東日本大震災。
そして、福島原発の影響で、『放射線が危険』ということで
海外への輸出がストップしました」
「そんなことがあったのですか」
「『もうダメかも・・・』と、思っていたら、
日本中が東北支援をしてくれた。ホントにそれで救われました」
ひとり一人の力は、小さいかもしれないけれど、
チリも積もれば山になった。それだけでなく、
日本酒全体が伸びて、前年度比102パーセントになったそうだ。
「最近ずっと落ち込んでいた日本酒が伸びたんですよ。
これを機会にたくさんの人が、日本酒に興味を持ってくれたら嬉しいです」
酒蔵が、効率を求めてプラント的になって行くのが寂しくて、
とことん手づくりにこだわって日本酒を作っている酒蔵の社長。
日本酒にとにかく興味を持って欲しくて、酒蔵を改造して、
カフェにして、日本酒のシフォンケーキを出したり、
仕込み水のコーヒーを出したりしている酒蔵に嫁いだ女性。
日本酒を盛り上げようと努力されているたくさんの酒蔵さんと出会った。
お米は、漢字の通り、作るのに八十八の手間がかかる。
愛情を込め育てたお米を、さらに手間ひまかけて作るのが日本酒。
世界で一番手間ひまをかけて作られるお酒が日本酒だ。
日本の気候と風土だからこそ作ることができるお酒。
日本人にしか作れないと言われている日本酒。
わたしも、日本酒を守りたくなった。
もっとも、わたしにできることといえば、日本酒を飲むことくらいだけれど・・・。
この年末年始は、お酒をお燗して、身も心も温まりたい。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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