ライフワークのひとつに、講師の講演台本づくりがある。
というより、自分が講演しているよりも、人の台本を
作っているほうが好きかもしれない。
たぶん、365日、24時間、人の台本を作っていても飽きない。
「なぜ、その仕事に就いたのですか?」
「その仕事に就いて良かったことは?」
「今までの人生で、一番の失敗は?」
などと思いを巡らせていると、あっというまに時間が経つ。
最初は、「そんなに大した経験ないんだけどなあ」
と言っていた人も、いろいろ引き出して行くと、
生きてきた時間だけ出来事が出てくる。
「そういえば、こんなこと・・あったんだよなあ」
と、話材が溢れだすと、ワクワクしてくる。
当然、キレイな体験ばかりではない。
不倫の話が出てきたり、事故の話が出てきたり、
「この人に、そんな経験あったんだ」と、驚くことも多々ある。
「だめ、わたし、まだ消化できていない・・」と、いうこともあれば、
「人様の役に立つなら、ぶっちゃけ話を出してもいいわ」ということもある。
グループで台本づくりをしていると、人につられて、
「ボクも、そんなことあった」「わたしにも、あった!」
と、不幸自慢になることも。(笑)
わたしは、台本づくりの中で、必ず伝えることがある。
「自分がしたい話と、人が聴きたい話は違うよ。自分で、
『こんな話をしてもオモシロくない』と、勝手に決めつけないこと」。
実際に、勇気を出して、ちょっとだけ自己開示するだけで、
「お客さんの反応がまったく違った」
と、トライしてみた講師自身がびっくりすることもある。
講師だけでなく、アスリート、漁師さん、社長、アナウンサー、
いろんな人の台本づくりを手伝ってきた。
本当にすべての人にドラマがある。
何よりも、みんな「生きている!」という感じが好き。
わたしは、そんな人たちに熱く語ってもらって、それを聞いた人たちが、
「どんな仕事も素晴らしいな」
「一生懸命に生きるってステキなことだよなあ」
と、感じてくれたら、めちゃめちゃ幸せ。
だから、講演台本づくりはやめられない。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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