阪神・淡路大震災から20年が過ぎた。高卒の新入社員メンバーに講演で阪神・淡路大震災の話をしても、彼らは知らない。でも、わたしは、リアルに覚えている。31歳の時だった。
テレビ番組もすべて自主規制。暗いシーンしか流れない。「もう笑うことなんてないのかもしれない」そんな気持ちになった。でも、戦前生まれのわたしの母は違った。「あんなに暗い戦争からでも、再び笑える日が来たんや。人間なんてそんなに弱いもんやない」と、言い切った。
実際、取引先に会いに神戸まで行ったわたしを神戸の社長たちが笑わせてくれた。「ほんまに大変やったわ。2階が1階になってたわ」「冷蔵庫が効かないから、バーベキューしたわ」笑っていいのか一瞬躊躇したけれど、一緒に笑った。そして、ひとりの社長がポツンと言った。「あきらめるのは、いつでもできる。だから、まだあきらめたくないよなあ」
あの日から、わたしは、「自分の命の使い方」、つまり「使命」を考えるようになった。「いつ死んでも後悔しない生き方」にこだわることになった。そして行きついたのが「心の元気」だった。自分の心が元気じゃないのに、本気で人のこと地域のこと国のこと会社や組織のことなんて考えることができない。自分が元気じゃないのに人の幸せなんて考えられない。そこに大切なのは「笑い」。そう思って、ひたすら「人を笑顔にできる人づくり」にこだわってきた。けれど、気合と根性だけではどうにもならない壁にもぶつかった。
そして、知った。コーチングや心理学など、人を元気にするスキルやテクニックがあることを。それらを学んで自分の仲間に伝えているうちに講演や講師の依頼が来るようになった。
ありがたいことに、日本全国から声がかかるようになった。それどころか、ステキなお店に連れてもらったり、ふだん会えないような人に会わせていただいたりもした。また、「講師になりたい」というメンバーの指導までさせていただくようになった。
でも、わたしは、20年前と何も変わっていない。ただ、ただ、人の笑顔を見たいだけ。みんなが笑顔で生きていける世の中をつくりたいだけ。今年は、もっともっと、いろんな人と向かい合いたい。今までお世話になった人たちに恩返しをしたい。そして、何よりもたくさんの人と笑いたい。もう一度、原点をしっかり見つめたい。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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