防災の講演を聴かせていただいたこともあるし、防災の講師も知っている。それだけでなく、防災関係の講師の台本作りを手伝ってもいる。ところが、自分は、何も分ってないかもしれないということを、先日痛感した。
現在の住まいは、タワーマンションの45階。景観を気に入って、ここに住むと決めた時に地震は覚悟していた。そして、何かあった時のために軍手と水とカンパンくらいは常備している。引っ越してから2年半。深夜の0時頃、自宅のソファーに座り、メールのチェックをしていた。すると突然、
「30階で火災が発生しました。すみやかに避難してください」と、警報音と共にドキッ!とするくらいの大きな声でアナウンスがあった。
「どうせ、何かの間違いだろう・・」と、とっさに思ったけれど、鳴り止まない。さすがに寝ていた夫も起きてきた。「逃げなきゃ」と、思いながら、何から手をつければいいか・・スグに浮かばない。とにかく、パジャマから服に着替えた。
「何を持って出ればいいのだう」
「財布だけはいるよなあ」
頭の中は混乱だらけ。なんと、夫は、悠長にもトイレに入った。窓から下を覗いてみたけれど状況は分からない。警報と放送は怒涛のごとく鳴り止まない。身支度を整え廊下に出た。
「エレベーターかな」
「エレベーターは、まずいんじゃないかな」
非常階段の扉を開けた。
「暗いよ。煙が上がってくるとまずいよ」
同じフロアーの住人が、エレベーター、動いてますよ」と、教えてくれた。
「こんな時でもエレベーターは動いているんだ」
「途中で止まらないかなあ」
いろいろ考えるけれど、そのままエレベーターに乗った。すると、各駅停車。次から次に人が乗ってくる。だんだん人が増える。
「みんな乗れるのかなあ」
「煙は、入ってこないのかなあ」
最初の通報から下まで降りた時には、30分はかかっていた。そして、放送があった。
「誤報でした」
安心したものの、
「煙とか火は、どう動くのだろう?」
いろいろ考えさせられた。そして、今度、防災関係の講師に出会ったら、今回の疑問を聞いてみようと思っている。ほんとうに、防災セミナーの重要性を、身をもって感じた深夜の出来事でした。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
ビジネス|人気記事 TOP5
女性に下駄を履かせるとは?~女性活躍推進の現状~
藤井佐和子のコラム 「企業・個人を豊かにするキャリアデザインの考え方」
高齢者が病院に行きすぎてしまう理由
川口雅裕のコラム 「人が育つ会社、育たない会社」
逆境を乗り越えよう
宗次徳二のコラム 「宗次流 独断と偏見の経営哲学」
デジタル化とは何か? そのメリット、デメリットと具体的な事例
久原健司のコラム 「IoT・AIで地方の問題を解決する」
セブ島語学留学が熱い!
大谷由里子のコラム 「大谷由里子の人づくり日記」
講演・セミナーの
ご相談は無料です。
業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。