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2016年01月05日

学生生活

 3年前に法政大学大学院創造科に入学したわたし。本当に入って良かった。仕事が終わってからの講義。土曜日の授業。思うように仕事を取れない時期もあったし、正直、夜の18時半から21時半の講義がつらい日もあった。そして、レポートも書かなければならない。最初は、2年で修了するつもりだったものの、なかなか修士論文も進まず、3年目に突入。

「女子大生になってみるのも悪くない」

そんな軽い気持ちで入った大学院。そんなに研究したいことがあったわけでもないし、学歴が欲しかったわけでもない。それだけに、なんとなくめんどくさくなったことも多々ある。それどころか、

「別に困るわけじゃないし」

と、何度も挫折しそうになった。

 でも、3年目になって、本当に大学院に入って良かったと思えるようになった。尊敬できる先生たちとの出会い。ステキな友人たち。何よりも20代の友達ができたこと。自分の娘よりも年下なのにわたしと遊んでくれる。飲んでくれる。こんな楽しい人生があるなんて想像していなかった。恋愛の話をしたり、就職活動の話を聴いたり、未来に対する夢や悩みを語ってくれる仲間がいることが、こんなに楽しいと思っていなかった。

 すっかり忘れていた気持ちを思い出させてくれた。

「わたしにもこんな青春があったなあ」

ということを気づかせてくれた。

 そして、先生たちは、いろんな角度でわたしの頭を揺さぶってくれる。

「世界は、こうなっていたんだ」
「この法律に、こんな意味があったんだ」

知らない世界ばっかりだった。20代の頃、あんなに退屈だった講義なのに今は、ワクワク楽しんで講義を受けることができた。レポートも大変だったけれど、

「どんなこと書こうかなあ」
「教授は、どう思って読んでくれるだろう」

と、思うとラブレターを書いている気分になる。

 今、修士論文に追われている。これを書き上げるために、お正月も返上。読まなければならない本も山ほどあるし、何度も何度も担当教授を含め、いろんな先生からダメだしとアドバイスをもらっている。でも、正直、これがなければ、一生読まなかった本もたくさんある。出会わなかった知識もいっぱいある。わたしのテーマは、「イノベーターの人材育成」。できれば政策提言までできるようなものにしたいと思っている。それだけにまだまだゴールじゃない。ツッコミどころ満載かもしれない。エッセイやビジネス書を書くのと違う。すべて学術的なものを求められる。でも、人生の中でステキな機会をもらったと思って、もう少し頑張ってみようと思っている。

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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