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2016年05月02日

熊本大地震

 わたしは、阪神大震災、東日本大震災を経験した。日頃から講演などでも命の使い方・・「使命」について話をさせてもらっている。今回の熊本での大地震を知って何かの役に立ちたいと強く思った。居ても立ってもいられず、縁のある熊本の経営者に連絡。スグに仲間と物資供給のお手伝いをさせてもらった。そこで役に立ったのは、SNS。

 フェイスブックで呼びかけると、起業したばかりの仲間が、「時間があるから、僕が物資を運ぶ」と、名乗り出てくれた。熊本に本社がある味千ラーメンの副社長から「久留米の店の倉庫を使って、そこから熊本に運ぶといい」と、久留米店の倉庫をハブにしてくれた。

「動けないけれど寄付ならできる」

と、たくさんの仲間がお金を振り込んでくれた。そして、困っている仲間や場所へピンポイントでの支援させてもらった。

 ところが、同じような動きをしたのは、わたしたちだけじゃない。フェイスブックを見ると、様々な人たちがSNSを使って行動を起こしていた。福岡や鹿児島の会社の倉庫を使い、その場所をハブにして物資を集めて供給していた。10日くらい経って、物資はある程度足りてきた時、福岡のある市役所のメンバーと話をした。

「今回、本当に役所よりもSNSで動いた人が多かったよ。僕らよりもそっちのほうが情報も早かった」

 確かにそうかもしれない。役所や業界団体の中にも、SNS を旨く活用している事例をみつけた。福岡市長は、SNS を活用して、自分たち(役所)はこのように動くから、どんな協力をして欲しいか知らせて欲しいという情報を発信していた。また、旅館組合なども、被災者が泊まれるような仕組みを作って、フェイスブックでシェアを呼びかけていた。

 阪神大震災の時、神戸で被災した人たちは電話は使えなかった。もちろんSNSもインターネットも無かった。自分たちの街が、どうなっているのか分からなかったと後で神戸の仲間から聞いた。そう思うと、技術の進歩ってすごいと感じる。

 今回、不幸中の幸いは、火事と津波が無かったことかもしれない。だからといって、油断はできない。日本は地震の国なんだということを改めて思いしらされた。いつ、何があるかわからない。だからこそ、人ごとにせず、自分のことだと思っておく必要がある。二度の震災の経験から、頭では分かっているけれど、目の前に現実を突きつけられると、咄嗟にその場で何も出来ない、立ちすくむしかないのも分かる。だからこそ、いつ、どんな時でも、「ココロの元気」だけは持てる自分でありたいし、その大切さを伝えていきたい。

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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