「何のために講師をするのか」って、とても大切なことだと思っている。
最初は、熱い「志」を持って講師を始めたはずなのに、
いつのまにかお金儲けに走ってしまう講師をたくさん見てきたし、
「先生」と呼ばれてカン違いしてしまった講師も見てきた。
わたしも、「先生」とか言われて、
同年代のOLよりもお金をもらったりすると、
カン違いしそうになる時だってある。
そのたびに、
「このお金は、今までやってきたことへのご褒美で、わたしが偉いんじゃない」
と、自分に言い聞かせている。
そんなわたしが、尊敬している講師のひとりが黒岩禅さん。
彼は、幼いころ、母親が出て行き、父親の暴力を受けて育った。
施設に入れられると、
「こんな僕が幸せになれるはずなんてない」
そう思って大きくなったそうだ。
そんな彼は、高校生の時に
TSUTAYAのバイトで初めて「ありがとう」と、言われた。
その瞬間、
「こんな僕でも『ありがとう』を言われるんだ」
と、気付いた。
仕事が楽しくなっていくうちに周りから認められ店長になる。
死ぬほど働いてその店を全国一位にした。
ところが、表彰式では誰ひとり嬉しそうな顔をしていなかった。
「きみたち、嬉しくないのか?」 と聞くと、
「黒岩さんの言うとおりに、やっただけですから…」と返ってきた。
振り返ると、厳しいことばかり言って、ただひたすら数字を上げるだけの
「北風」のマネジメントしかしていなかったと気づかされた。
今まで何をやっていたのか…と愕然となり、
仕事への意欲がなくなっていったという。
数年後、彼はある人物に請われて新しいスタートを切ることとなった。
その店では、彼は、ひたすら「太陽」のマネジメントを実践した。
「バイトに来てくれてありがとう」
「うちの店に来てくれてありがとう」
「出勤してくれてありがとう」
彼の店は、徐々に活気を取り戻し
従業員の満足度は、日本で一番の店になっていた。
そこには、みんなの笑顔が溢れていた。
そんな彼のマネジメントや考え方を書いた
「最高のチームをつくるシンプルな仕掛け」(こう書房)
も出版されて、今や人気講師となった。
黒岩さんは、何のために講師をしているか。
彼は、日本全国の施設に行って、そこで暮らす子供たちに、
「拗ねてたらあかん。絶対に、人生は頑張っていたらいいことがある」
ということを伝えたそうだ。
そして、すべての施設に行くには、交通費だけでも3,600万はかかる。
そこで、講師として呼ばれて、交通費を出してもらえたら…
近くの施設で話すことも叶う…と、いうことで人前で話すことを始めた。
わたしも、彼の「熱い想い」を応援している。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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