午前5時、女の子たちはベッドから起きだした。すぐにチャーイと呼ばれるお茶を飲んで学校への支度をする。午前6時30分、学校に登校していき、午前中は学校での勉学で終了。帰宅するとすぐに自宅で母親の洗濯や食事の支度を手伝う。さらに女の子たちは小さな兄弟たちの面倒を見る。その仕事ぶりは”小さな母親”というにふさわしい家事に追われる忙しき時間を過ごしていた。
アフガニスタン南部カンダハールという地域は、国内の中でも保守的な地域であり、女性たちは問答無用に家庭を守っていく仕事を課せられていた。ここではアフガニスタンならではの家父長制度が色濃く残っており、女性たちは外出する折には、ブルカと呼ばれる布で全身を覆っていなければならない。女性たちの生活を見ていると事実上、勉強することも結婚を決めることも両親の一声ですべてが決まってしまっていた。
それでもアフガニスタンは変わってきている。地域の世代が代わり、情報が流通し、諸外国とのつながりも濃くなってき昨今、女の子の存在に光が当てられてきている。自由に勉強をするために学校が作られ、卒業後は外で仕事につくことができるようになるなど女性の慣習にはっきりと変化を見ることができる。
女の子たちがものを申せる新しいアフガニスタンの社会が確かに存在していた。小学校で学んでいる少女たちが将来の夢を語ってくれた。「学校の先生になりたい!女性大統領になりたい!お医者さんになりたい!」
それぞれの少女たちの夢は大きく、そして決して夢だけでは終わらない新しい環境が彼女たちを取り囲む。アフガニスタンの少女たちの夢が叶うこと、そしてこの地域の女の子たちがアフガニスタンを牽引する新しい力になることを祈ってやまない。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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