笑顔にあふれる子供たちとお母さんを撮影すること。世界中を回る中でカメラマンとしての大切なテーマであります。子供たちの歓声が響き渡っているなかに飛び込んでの撮影は、自らも無性に元気になり、撮影した笑顔の写真は見る人たちを勇気づけてくれる大切な一枚となっていきます。
インドネシアの村で暮らす家族のもとを訪ねると、元気いっぱいに子供たちが迎えてくれました。子供たちの周りでは必ずお母さんが優しく見守っていて、子供たちはいつもお母さんと一緒。子供たちは過酷な自然環境や貧困という厳しき状況の中でも力強く暮らしていました。
お母さんたちはこう言います。「子供は宝です。この村で生まれ育ちそして次の世代を担っていく、大切な一族の喜びであります。」
伝統形式が色濃く残る村の母親たちは子供たちに基礎教育はもちろん、山の中での生きる知恵を教えていく。愛情だけでなく、厳しさ、地域で暮らすルールや文化、慣習も言葉だけでなく寄り添いながら繰り返される日々の生活の中でしみ込ませていく。
両親共々、山の仕事があっても子供と時間を過ごす時間が絶対的なのは母親であり、子供たちは母親の声を聞き、肌のぬくもりや背中を見つめながら成長していく。
村の若い母親も母としての立場、母としての責任をはたしていきたいと語っていました。母親たち自身が自らの幼少期からの経験、知識、想いを次の世代にたくすことをはっきりと意識していて、次の世代へと母親たちが慣習の架け橋となっていく。だからこそお母さんといつも一緒。子供たちは安心感に満ちあふれていました。
インドネシアに限らずどの国でも”お母さんと一緒”の光景を目にします。自分たちの家族のルーツ、先祖からの声を丁寧に伝えていくことはアフリカでも中東でもアジアで同じでありました。誰しもが生まれ育った場所に誇りを持ち、その地で生きていく力にみなぎっていました。
世界中どこでも”お母さんと一緒”、これが一番の喜びの時間でありました。
渡部陽一わたなべよういち
戦場カメラマン
1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…
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