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2025年03月12日

ガザ停戦合意とトランプ軍事外交

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トランプ大統領の軍事ディール(取引)が加速しています。ガザ地区の復興支援を掲げながらアメリカが今後ガザを所有管理することやガザ市民を周辺国のエジプトやヨルダンが受け入れる避難民対策。3年以上続くウクライナ戦争ではゼレンスキー大統領を独裁者と表現しロシアとのウクライナ抜きの停戦協議を継続。ゼレンスキー大統領を降格させるためのウクライナ大統領選挙の再開を主張しました。ゼレンスキー大統領との直接協議ではロシア寄りの一方的な停戦案を押し付け会談は決裂。共同記者会見が中止となってしまいました。トランプ大統領が大統領選挙前から主張していたガザ停戦とウクライナ戦争の終結。その内容は武力を使った領土侵略を容認する国際法規からはかけ離れたものでした。

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2023年10月7日に勃発したガザ軍事衝突では15ヶ月続いた戦闘で犠牲者は4万8000人以上。行方不明者は少なくとも1万6000人。ガザ全域の70%が壊滅状態となっています。イスラエル軍はガザへの戦闘再開の軍事圧力をかけながら停戦合意の最重要事項である人質の完全解放を進展させ30名以上を解放させました。さらにハマス側が人質解放要件を満たさなかった場合、アメリカトランプ大統領後ろ盾のもと即座に軍事攻撃再開を通告しています。実際にガザ地区での停戦合意交渉が続く中、イスラエル軍はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地域で大規模爆撃を展開しました。『鉄の壁作戦』と名付けた武装組織壊滅作戦では西岸地域へ戦力を段階的に移動させパレスチナ住民への襲撃拘束事件が多発しています。ガザ支援をつなげるアラブ諸国はトランプ大統領によるガザ地区をめぐる外交ディールに反発。パレスチナ自治政府アッバス議長、さらにアラブ諸国22カ国で構成されるアラブ連盟の国々がガザを不動産のように扱う人権を無視した強硬論に嫌悪感を示しました。

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今現在のガザ停戦合意第一段階人質解放交渉ではハマスとイスラエル双方の人質解放が進展しました。ただハマスが解放した人質の遺体が拘束者と別人であったことやイスラエル商都テルアビブ郊外でのバス爆破テロ事件、ハマスによる人質への屈辱的解放式典がイスラエルを刺激し600人のパレスチナ囚人の解放が延期されました。これまでのガザ停戦交渉では仲介国カタールやエジプトの交渉窓口がハマスとイスラエルをつなげてきましたがこの先トランプ大統領によるイスラエルファーストの中東政策が強行された場合、これまでの建設的な合意内容が断絶する危険を孕んでいます。いかに世界各国が停戦交渉に間接的であれ関与していけるのか、パレスチナを孤立させない交渉基盤が求められています。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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