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2014年06月25日

親子で作るネット利用のルール 1

 先日、中学生の女の子を持つお母さんからこんな相談を受けました。「娘がスマホを手放さず、深夜までLINE(ライン)をやっています。テスト前でもやめないので、無理やりスマホを取り上げたんですが、親が寝たあとこっそりリビングのパソコンを使ってる。何かと思ったら、パソコンでLINEをつづけていました。どうやってやめさせればいいのかわかりません」

 困惑するお母さんの気持ちはよくわかります。スマホを取り上げれば一件落着と思ったのに、コトはそう単純ではないわけです。

 この相談からもわかるように、LINEはスマホ以外でも使えます。パソコン、ガラケー(従来型の携帯電話)、それにiPod Touchという携帯型音楽プレイヤーでも利用可能。こんなふうにネットの利用環境がどんどん進化している今、スマホといった「モノ」を制限するよりも、明確なルールを作るほうがより重要です。

 では、どんなルールを作ればいいでしょうか。まずは子どもの意見を聞き、「守りやすいルール」を作りましょう。

 子どもには子どもなりの事情、たとえば友達関係を壊したくないといった気持ちがあります。一方的に親が制限するのではなく、子どもの考えも尊重した上で「使わない時間と場所」を決めます。

 実はここがポイントで「何時から何時までは使わない」、「子ども部屋では使わない」など、「使わない」ほうを設定するのです。

 こうすることで子ども本人も「〇時からは使えないからLINEを抜けるね」と仲間に対して「NO」が言いやすくなります。つまり、「使わないルール」があったほうが、子ども自身も楽なのです。
 ただし、「使わないルール」は子どもの成長や生活環境に応じて改定しましょう。せめて年に一回は子どもと話し合い、現実的に守りやすいルールであるためにどうすればいいか、内容を調整してください。

 子どもは自分の意見を取り入れられることで、自覚や責任感が強くなります。また、ルール作りの際に、子どもがネット利用の悩みなどを打ち明けてくれることもあり、親子間のコミュニケーションも深まるでしょう。

 こんなふうに、子どもの声を聞きながらルールを作ることが大切ですが、現実的には「守れない」という状況も生まれます。

 そのときどうすればいいかは、次回にご紹介します。

石川結貴

石川結貴

石川結貴いしかわゆうき

ジャーナリスト

家族・教育問題、青少年のインターネット利用、児童虐待などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表している。 出版のみならず、専門家コメンテーターとしてのテレビ出演、全国各…

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