ある講演会の主催者様が、参加者の方から事前のアンケートを取り、私の講演内容に反映させてほしいという要望がありました。
そこには、こんな悩みが書かれていました。「子どもが夜中の1時過ぎまでスマホを辞めない。いくら怒っても隠れてやるので手に負えず、どうしたらいいのかわからない」(中学生男子の母親)
「食事のときにもスマホを手放さず、LINEをつづけています。やめさせたいのですが、子どもに言わせるとおもしろくてやめられないと。ここまでのめり込むとは思ってもみませんでした」(小学生女子の母親)
スマホを手放さない子どもと、そんな様子に困惑し、対応に悩む保護者の姿が目に浮かびます。
以前のコラムでも書きましたが、本来は
1.親子で利用方法を話し合い、あらかじめルールを決めておく。
2.子どもがルールを守らないなら、親が料金の支払いをやめる。
このような方法を取ってほしいのです。ただ、実際に料金の支払いをやめる=子どもがスマホを利用できなくなる、こうした方法を決断できないご家庭も少なくありません。
子どもにスマホを使わせつつ、親の気持ちや要求を伝えるために、「みかんていいな」のコミュニケーションを知っておきましょう。これは心理学などで使われるコニュニケーション方法のひとつです。
具体的には
「み」――みたこと
「かん」――かんじたこと
「てい」――ていあん
「いな」――可否(イエス、ノー)
となります。
まずは「自分が見たこと」を具体的に伝えます。先のアンケートで言えば、「夜中の1時までスマホを使っていることころを見た」というものですね。
次に「自分が感じたこと」、つまり親の気持ちを伝えます。「あなたの健康が心配だ」とか、「隠れて使われるのは悲しい」などです。
自分の気持ちを伝えたら、「相手に提案」をします。「明日からは10分だけでもスマホの利用時間を短縮してみたら?」と、ここでも「具体的」な数字や要望を出すことが大事です。
最後に、「相手のイエス、ノー」を聞きます。「イエス」ならそのまま実行してもらいますが、「ノー」だったらどうすればいいでしょうか。
その場合、「ノー」と言われたことに対する「かん」、つまり「自分が感じたこと」を再度伝え、あらたな提案をしてみましょう。
人と人とのコミュニケーションでは、「具体的に伝える」ことが重要です。「早くやめなさい」ではなく、「〇時までにやめてほしい」、そして「やめてくれないと悲しい」と自分の気持ちをはっきりと表現します。
親子や家族という身近な人間関係では、つい「言わなくてもわかっているだろう」と思いがちです。
「いい加減にして」とか、「それくらいにしておきなさい」などと、あやふやな表現を使うこともよくあります。自分は伝えたつもりでも相手には伝わっていない、こうしたすれ違いが起きやすいのです。
「いつ、どんなふうに、どうしてほしい」など、時間や方法を具体的に伝えるために、「みかんていいな」の親子コミュニケーションを実践してみてください。
石川結貴いしかわゆうき
ジャーナリスト
家族・教育問題、青少年のインターネット利用、児童虐待などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表している。 出版のみならず、専門家コメンテーターとしてのテレビ出演、全国各…
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