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コラム 教育

2011年12月20日

互助精神

 平成23年は、東日本大震災と、直後の原発事故、記録的な大豪雨、台風と、まさに大自然を通して様々なことを考えさせられた年でもあり、想像を超えた災害は、私たちの記憶に深くとどまることとなるでしょう。

 高度経済成長路線をひた走り、いつしか人と人との繋がりといった、形では見えない大切な心の部分よりも、お金や地位といった形あるものに価値をみいだすようになった現代社会に、今回の幾つもの災害は、「生命のたいせつさ」や「人と人との繋がり」の大切さについて、改めて大切なことを見つめる時間を与えてくれたように思います。
 多くの人が、何が一番大切なのかを、今年ほど深く考えさせられた年は無かったでしょう。

 核家族化が進み、いつのまにか隣近所や地域の人との繋がりが薄れ、孤立という言葉が似合う社会になってしまいました。昔は、物も豊かでない時代でしたが、「困ったときはお互い様」「お陰様」の精神がそれぞれの心に根付いて、強い絆によって、それがどんなに大変なことであっても、それぞれが知恵を出し合い、寄り添いながら支える社会があったように思います。
 人間が一人でできることなんて、たかが知れているのではないでしょうか。自分にはできないから、できる人に任せる。その代わり、他の人ができなくて自分にできることがあれば、精一杯頑張らせていただく。それが本来あるべき人の姿であり、それが人の和であるように思います。
 人と人との繋がりや人を思い支えあう心を、私たち大人は、しっかりと次の時代を担う子どもたちに伝えていかなければなりません。
 人それぞれの大切さ、生命の大切さ、家族の大切さ、人を慈しみ思いやることの大切さを、今年一年を振り返りながら、どうか幼子たちに分かりやすく伝えてあげて下さい。

 人は一人では生きられません。大きな困難にぶつかった時、自分の強い精神とそれを支える人の力が、大きな壁を乗り越える力になります。いつの世においても忘れてはならないことは、助け合いの精神です。助けた力は、後に助けられる力となって帰ってきます。人と人との繋がりは、どんな時代になっても忘れてはならない大切なことのように思います。

 心の繋がりを大切にしながら歩き続けていきたいものです。
 幸福はみつけるものではなく、創り出すものです。

 来る年は、皆さまにとって良い年になりますことを、こころからお祈り申し上げます。

春日美奈子

春日美奈子

春日美奈子かすがみなこ

フリージャーナリスト

國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。

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