夏休みが始まり、それぞれが身体や心の休息と、エネルギーを蓄える作業をしている人が多いのではないだろうか。現代人は、次から次へと押し寄せてくる情報の中で、考えたり、理解したり、学んだりと頭を働かせることに忙しくなりすぎている。
自分の心に耳を傾ける習慣を皆さんは、お持ちですか?
人間は、一つずつ年を重ねるごとに豊かになっていく。一日一日、365日を生きることによって、経験を積み重ねる。自分の時間を刻んでいくなかで、涙を流すこともあれば、お腹を抱えて大笑いすることもある。24時間を何百回も何千回も繰り返す時間の累積は、自分という人間を知っていくための道程でもある。
熱帯夜の中、それぞれの家のクーラーからの熱風が、自然の涼しい風を覆い隠しているが、そんな熱風の機械的な世界の中で、上空には雲ひとつない夜空に、丸くなりかけたオレンジの月と、その横に並ぶように一つの星が輝いていた。下界の慌ただしさに染まることなく、上空で清らかに光り輝いている。雑多な中にいても、自分の存在を信じ、自信を持って輝きを失うことなくひときわ輝き続けることの大切さを、今宵の月は教えてくれているかのようだ。
世の中には、もの言わぬものから多くのことを学ぶことがある。月や太陽、花々、木々、虫達といった大自然から、人は生きる歩みの中で多くのことを学ぶ。頭でっかちの者より感性の豊かな人ほど、その学びは多くなる。その感性を磨くには、本に親しんだり、多くのものに触れることが大切になる。
本を読まない人が多くなっているが、本を読むと手持ちの言葉が増える。自分の気持ちを人に伝える為に、誰かを慰めたり、喜ばせる為に、手持ちの言葉は一つでも多いほうがいい。様々な本は、内面を育て、知識や情感を育む。
夏休み、大人も子どもも机や教科書から少し離れて、好きな本や、命あるもの、大自然の恩恵に身をゆだねてみて欲しい。心がとても喜んでいることに気づくのではないだろうか。
経験と観察の量は、人を賢く豊かにしてくれる。賢くなるということは、少しずつ自分を知っていくことに繋がる。慌ただしい世の中だからこそ、この夏休みに、声なき師たちから多くのことを学ぼう。
また、これから頑張って歩いていくために。
春日美奈子かすがみなこ
フリージャーナリスト
國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。
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