新しい年があけました。2010年がみなさまにとりまして素晴らしい一年でありますよう心からお祈り申し上げます。
本年もコラムをどうぞ宜しくお願い致します。
新春初のタイトルは、「祈る姿」にしました。
新年を迎えられ、多くの方々は初詣にいらしたのではないかと思います。
お正月だけでなく、日々の生活の中で、それぞれの思いを胸に手を合わせる姿。
私は、人が手を合わせ静かに目を閉じ、祈る姿ほど美しいものはないと思います。
老若男女世代を越えて居住まいを正し、静かに目を閉じ、そっと手を合わせて大きな力に思いを託しすがる時、見えないオーラに包まれいかなる外部のものをも寄せつけない中で、その姿は一時清らかな空気の中、静かな祈りの姿となる。
祈りの姿となった時、それぞれ背負うものや、背景が違っていても、その時だけ全ての人が祈りの中で、生まれたばかりの純粋で清らかな赤子の姿にもどっているかのように思える。
この祈りの姿を、現実の生活に戻っても多くの人達が持ち続けたなら、この世の中は、もっと優しく穏やかで温かなものになるだろう。
「教育」の語源とも言われることばに、「パイディア」ということばがある。
これは、ソクラテスの時代に生まれたギリシャ語で、本来は「子どもをよくする」という意味を持つ。現代は、子どもを賢くすることに目が向けられているが、賢くなるだけが全てではないということ。どんな子供たちも、全てが良い子になりたいという願いをもっている。どんな境遇に置かれても、子供たちはそれぞれの心の中で、手を合わせて祈っているということを私たち大人は、忘れてはならないように思う。
今年は「変化」がキーワードと言われている。社会も私たち一人一人が、良い方向に向かって変わっていかれるように、子どもやお年寄りといった弱い立場の人達が、心から笑っていられるような穏やかな社会に変わっていくよう我々大人や社会は、和を持ち支えあって歩みを進めていくことの必要性を認識すべき時にきているように思う。
全ての祈りの姿に少しでも応えるために。
春日美奈子かすがみなこ
フリージャーナリスト
國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。
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