子どもが宿題の書き取りをやったとします。それを親であるあなたが見たとします。そのとき、あなたの第一声はどうなりそうですか?
多くの親の第一声は否定的なものになりがちです。例えば、「なんなのこの字は。もっと丁寧に書けないの?」「もっとしっかり書きなさい」「ここのところ、もう一度消して書き直しなさい」などです。
でも、これでは子どもがかわいそうです。せっかく宿題をやってもこれでは浮かばれません。親がこういう対応をしていると、子どもはますます宿題をやるのが嫌になります。
とにかく一番最初にほめてあげることが大切です。まずは宿題をやったこと自体をほめ、次に他にもほめられるところを探します。
そのとき大事なのは、全体を漠然と見るのではなく部分に注目することです。中には偶然うまく書けている字もあります。そういう字を見つけてほめるのです。
例えば、「この『春』という字は上手だね」「この『飛』という字は形がいいね」「この『声』という字はバランスがいいね」などです。
または、もっと部分に注目してほめることもできます。例えば、「この『ウ冠』がきれいに書けたね」「この『しんにょう』が上手だね」「縦画がまっすぐきれいに書けているね」などです。
赤鉛筆で花丸をつけながらほめてあげるとさらにいいでしょう。
親が毎日こういう対応をしていれば、子どももしっかり丁寧に書くようになります。「丁寧に書きなさい」などと言わなくてもそうなります。
もしどうしても書き直させたい字があるときは、たくさんほめた後で、「じゃあ、書き直したい字はない?」と聞いたり「じゃあ、これとこれは書き直そうか」と指示したりすればいいのです。たくさんほめてもらった後なら、子どもも素直に言うことを聞いてくれます。
ということで、「まずほめる。部分をほめる」を実行してみてください。部分に注目すればほめられるところは必ず見つかります。これは、書き取りだけでなく全てにおいて言えることです。
親野智可等おやのちから
教育評論家
教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…
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