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コラム 教育

2016年04月25日

「比べる病」が子育てを苦しくさせる

 親はみんな「比べる病」にかかっています。子どもを兄弟や友達と比べて、あるいは子どもの頃の自分と比べています。比べると常に隣の芝生は青く見えてしまい、わが子の至らなさが目につくようになります。だらしがない、行動が遅い、挨拶ができない、走るのが遅い、勉強ができない、などなど切りがありません。特によくないのは、それを子どもに言ってしまうことです。「○○さんは□□ができるんだって。なんであなたはできないの」。これは子どもには辛い言葉です。こういうことが続くと、子どもは自分に自信が持てなくなります。「どうせ自分はダメだ」という気持ちが支配的になり、何事にもやる気を失います。

 ですから、「もう比べない」と決意して欲しいと思います。他の子と比べるのをやめて、その子自身のちょっとした成長を見つけ出して、共に喜んであげましょう。そして、これからは、自分が比べ始めたその瞬間に気づくようにしましょう。「あっ、今、比べてる」と気がつくことで、自然にブレーキがかかるようになります。そして、自分がどういうときに比べているかという傾向がわかってきます。

 実は、たいていの場合、親である自分の思い通りにいかなくて、イライラしているときに比べているのです。
「百人百様」「促成栽培より大器晩成」「どの子もオリジナルペース」と書いた紙を目につく所に貼っておくのもいいでしょう。あるお母さんは、「みんなちがって、みんないい」のフレーズで有名な金子みすゞの「わたしと小鳥とすずと」という詩をスマホにメモしてあって、ときどき声に出して読むそうです。また、『世界に一つだけの花』という曲を聴いたり、一緒に歌ったりしているそうです。親子で歌えばさらに楽しいでしょうね。

親野智可等

親野智可等

親野智可等おやのちから

教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…

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