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コラム 教育

2016年11月25日

子どもができないからといって声を荒げるのはやめよう

 私が先生だったときのことです。ある日、「15-8」のような繰り下がりの引き算ができない子がいたので、私はつきっきりで教えていました。「5から8を引ける?」「引けない」「そうだね。じゃあ、どこから8を引くの?」「10から」……。このように問答をしながら何問かやりました。

 そして、もうわかったと思ったので、「次は自分で14-8をやってみよう」と言いました。すると、その子は「う~ん」と言うばかりで一向に答えが出てきません。それで、私はちょっとイライラしてきました。でも、気を取り直してまた問答をしながら2,3問教えました。そして、今度はわかっただろうと思ったので1人でやらせてみました。すると、またもやできないのです。

 それで、私はつい「いま教えたでしょ」と言ってしまいました。すると、その子は下を向いたまま無言で小さくうなずきました。子どもは本当に敏感です。私はしまったと思いました。なんてかわいそうなことを言ってしまったんだ。言ってはいけないとわかっていたはずなのに。これは”いじめ”以外の何ものでもない。

 大人だったら、「できないものはできない」「教え方が下手」などと言うかもしれません。でも、子どもはなんの反論もしません。できない自分が悪いと思ってうなだれるだけです。そして、ひとり悲しんでいるのです。子どももできるようになりたいのです。一生懸命やっているのです。でも、できないのです。子どもにはどうしようもないのです。先生がイライラしてきたのもよくわかっています。それでますます焦って、何が何だかわからなくなってしまうのです。

 みなさん、子どもができないからと責めたり声を荒げたりするのはやめましょう。教えるときは、つねに優しく教えてあげましょう。

親野智可等

親野智可等

親野智可等おやのちから

教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。人気…

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